血方神社

小山市田間(平成18年4月8日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、新国道4号バイパスを東京方面に向かい、田間歩道橋交差点を左折し300メートル進んだ所にあります。今日は神社の春例祭で神楽が奉納されると聞き、行ってきました。狛犬さんは、年代不明と平成11年です。
石がもろいのか、かなり傷んでいました。神楽は稚児の舞う「五行の舞」が人気です。今日は、この後、下都賀郡都賀町家中の鷲宮神社へ出張して、午後6時から披露する予定だそうです。

  この神社の主祭神は少彦名命、配神は伊弉冊命ですが、創建は不明です。血の神・女性の守護神として、血の病、下の病気を治す神様として信仰を集めています。この他、小山市には同音社で智方神社(思金神)が武井地区に鎮座しますが、これらの神社は福島県から静岡県、長野県辺りに至る「ちかた神社、ちかつ神社、ちかと神社」の同系社と見て間違いなさそうです。
 ここはその御神徳と共に、毎年4月第2土曜と日曜に春祭りの奉納行事として行われる神楽が有名で、特に稚児神楽「五行の舞」がその愛らしさ・可愛さと共に特徴的となっている舞だそうです。神楽は岩戸神楽・太々神楽と言われるもので、全部で十二演目あります。茨城県下妻市の大宝八幡宮に伝わる神楽が茨城県八千代町蕗田の蕗田神社に伝えられ、それをまたこの神社に伝承されたもので、明治中頃から一年も休まず行われているのだそうです。

社号標と祭礼の幟旗
建立年代不明の狛犬。江戸タイプの狛犬ですが、砂岩のためか傷みが激しいようです。
拝殿 拝殿の扁額と絵馬
本殿の覆い屋と神明造りの渋い本殿

『おねり』
 最初に行われます。笛を先頭に、神官・稚児・神楽師の順に並んで、楽曲に合わせて表参道からゆっくりと拝殿まで進む行事です。

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この後、お祓いの『神事』(午前9時頃から)となります。
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『五行の舞』(神楽は午前10時頃から)
 ここの神楽の特徴は、地元の小学生の女の子によって行われる『五行の舞』があることです。
神楽殿には5人ずつ10人の女の子が2列に並んで座りますが、
「五行の舞」の時には5人ずつ中央にでてきて舞を舞います。
一人は真ん中の座布団に座り、黄色い御幣をもち、ほとんど動きません。
他の4人は赤・白・紫・緑の御幣を持ち、向かって右側から一人ずつ出て舞います。
五行の舞は各演目の間に何度も行われ、いくつかの演目では餅蒔きが行われます。
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『なぎなみの舞』
 イザナギ(水色)神とイザナミ(橙色)神の国生み神事を主題とする舞です。「二神の舞」ともいいます。

 この後『五行の舞』を挟みつつ『てんぐの舞』・『やわたの舞』・『稲荷のくわ舞』・『いねかりの舞』・『ひるこの舞』・『おきなの舞』・『うすめの舞』・『たぢからおの舞』・『天照大神の舞』・『やまずみの舞』が舞われます。