本宮神社

日光市山内(平成19年8月24日)

 この神社は国道119号線で日光橋を渡ると、すぐ右手に社号標が建ち、斜めに上がる石段が見えます。ここが表参道入口です。石段を上がると左から裏参道が合流し、参道途中には勝道上人が笈を掛けて休息したといわれる笈掛石があります。正面の石段上には木々の間から拝殿が垣間見え、その奥に重要文化財の本殿が唐門と透塀の中に建立されています。その奥に未だ小道が続き、正面に四本龍寺の三重塔が見え、左手には勝道上人が紫の雲が男体山にたなびくのを見たという紫雲石が有り、尚も進むと三重塔の左側に四本龍寺観音堂が建っていました。この辺りが日光発祥の地であり、奈良・平安時代には日光の中心地だったということです。現在ではここを訪れる方は希で、由緒のある神社を静かに心ゆくまで参拝したい、とご希望の方にはピッタリの神社といえます。

 御祭神:味耜高彦根命
 例祭日:4月13〜17日・弥生祭例大祭(日光二荒山神社・滝尾神社・本宮神社)
 由緒:二荒山神社発祥の地・日光の原点であり、本社・滝尾神社と合わせて、古より「日光三社」の一つとして信仰を集めています。現在では滝尾神社とともに日光二荒山神社の別宮となり、元々ここに日光二荒山神社があったので本宮、今の日光二荒山神社(大己貴命、田心姫命、味耜高彦根命)を新宮ともいいます。江戸時代の貞享元年(1684)の大火で焼失しましたが、翌年には再建されています。
 歴史的に見ると、勝道上人が男体山のある日光を聖地とし、大同3年(808)、現在の山内に「本宮神社」別当寺として「四本龍寺」を祀り、やがて中禅寺湖畔の「中宮祠」を足場にして、男体山の山頂に「奥宮」を創建しました。
 やがて稲荷川沿いには「滝尾神社(田心姫命)」が祀られ、女峰山への信仰も深まりました。因みに滝尾神社は、空海が祀ったといわれています。
 その後、現在の東照宮の敷地に「新宮」が祀られましたが、東照宮がつくられる ときに現在地に遷座しました。

社号標
「下野國一之宮二荒山神社
 別宮 本宮神社」
神社入口
石段の参道 石段を上がったところが裏参道との合流地点です。
笈掛石
社殿手前左側、勝道上人が笈を掛けて休息した石
拝殿
重要文化財・本殿 ・唐門・透塀
紫雲石
重要文化財・四本龍寺の三重塔
県指定文化財・
四本龍寺観音堂
鳥居の向こうに祀られた仏像三体