三ノ宮神社

真岡市小林(平成18年8月19日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、真岡岩瀬線を真岡方面に向かい、小林信号の側にあります。昭和10年の狛犬が迎えてくれました。まだ新しい神楽殿は、2000年の建替えです。ここで舞われる太々神楽は、市の無形文化財に指定されています。

 この神社の創建などは分かりません。市指定民俗文化財の「三ノ宮太々神楽」は明治初期に形づくられたようです。
 社名の「三ノ宮」は令制国の「三宮」の名残だと思われますが、これは、国司が任国に赴任したときなどに巡拝する神社の順番を表し、その地域の中で最も社格の高いとされる神社を「一宮」といい、順次「二宮」「三宮」と数が増えていき、多いところでは「十一宮」もありました。この順位は何らかの文書によって定められていたのではなく、由諸や社勢などによって自然発生的に決まったものなので、時代によって一宮が変遷したり、同時期に二つ以上の神社が一宮を争ったり、現在では、かつて一宮とされたことのある神社のほとんどが「○○国一宮」を名乗っているようです。因みに現在、ここ下野国の一宮を名乗っている神社は二社あり、何れも「宇都宮二荒山神社」「日光二荒山神社」と二荒山系の神社です。
 蛇足ですが、真岡市(もおかし)の真岡は、中心部にある城跡「舞丘」からくるとも、アイヌ語の「マオカ」からくるともいわれています。旧石器時代の遺跡もあるほど古くから人々が住み着き、弥生時代の集落遺跡や古墳時代の方形周溝墓など、又、奈良時代の条里制遺構、鎌倉・室町時代の城跡など、数々の遺構が残る歴史的な土地柄です。嘗ては芳賀郡に属し、江戸時代には殆どが天領として、比較的豊かに暮らせていたと思われます。

神社入口
昭和10年建立の大口江戸狛犬。
阿は外に飛び出しそうに身を乗り出している子狛と、背中から
顔を出している甘えん坊の子狛を連れ、吽は玉を持っています。
後ろから見ると、幅の広いドッシリとしたお尻で根の流れも
スムーズな精悍な狛犬に見えますが、前から見ると上向きのせいか、
のほほ〜んとした感じです。
(昭和10年建立)
落ち着いた色合いですが、朱一色の拝殿 拝殿の額
拝殿内の様子 本殿覆い屋
境内社二社
二十三夜供養塔、聖徳太子之碑など 神楽殿