御嶽山神社

鹿沼市下永野(平成18年6月4日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、栃木粕尾線を粕尾方面に向かい、鹿沼市に入ったらすぐ左折して橋を渡ると、前方に見えます。昭和45年生まれの狛犬が迎えてくれます。拝殿には、信者達(多分)の姿を描いた絵馬が架かっています。佐野、足利地域で活躍した絵師の、晏斎英悦が描いたものです。境内には、三峯山の里宮もありました。

 この神社は旧粟野町南端に鎮座しています。
 案内によれば、「弘仁3年(812)に空海上人が開山したと伝えられ、三峰山大神・御嶽山大神が祭られています。長野県木曽御嶽山の信仰をひき、関東一円に多くの信者がいます。冬至の日には厄除け祈願の行事である“お焚きあげ”が行われにぎわいます。」とありますが、この神社の境内からは背後に聳える永野三峰山へのハイキングコース・昔の三山参道という、弘法大師を尊崇する熊野系の修験者が修行の為開いた、山頂奥の院へと続く参道があります。「三峰山」というと特に有名なのは埼玉県・秩父の三峰山ですが、この名前の山は日本各地にあって、御岳信仰の修験道と関係があるようです。この山はまた、早春のセツブンソウの自生地としても有名な様です。

参道の様子 社殿
姿勢が良く、威厳があり、堂々としたブロンズ狛犬

(昭和45年5月建立)
拝殿の額「御嶽山大神」 信者達(多分)の姿を描いた絵馬。
作者の藤英悦(須藤晏斎英悦)は江戸時代後期から
武者絵や絵馬の絵師として活躍した人で、
佐野市や足利市東部を中心に数枚の絵馬が残っており、
保存状態の良い三柱神社の天井板絵は
市指定文化財となっています。
 この絵馬も、門前市をなす人々の賑わいの様子が、
生き生きと描かれています。
三峯山里宮入り口、社殿、額
修行者の垢離場とたくさんの霊神碑。御嶽山の信者は亡くなるとその
霊魂は山に帰り霊神となり、こうした碑は、謂わば墓石の変わりの様です。
この考え方は高野山の奥の院に続く、数十万基もあるといわれる、あの廟所と相通ずるものがあります。