落合神社

鹿沼市酒野谷(平成18年10月19日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、上日向山越線沿いの酒野谷地区にあります。大正8年の狛犬が迎えてくれました。台座の裏に奉納者の名前が抽選順に刻まれています。なかなか面白い決め方だと思いました。水盤には、元禄の文字が見えます。

 この神社は下酒野谷の産土神社で、小田原北条氏が滅び、秀吉による天下統一が成された天正18年(1590)の創建です。かつては栃木県に多い星宮大明神と称していました。
 現在の酒野谷地域は戦国期には酒谷郷、その後は酒野谷村へと継承されましたが、近世初期に分郷が行われ、上酒野谷村は旗本領に、下酒野谷村は天領となり、明治に至りました。この折り、上酒野谷村は羽黒神社、下酒野谷はこの落合神社が産土神社となりましたが、その中間に位置する杉本稲荷は酒野谷稲荷大明神と呼ばれ、上下両酒野谷村の住民を氏子とする酒野谷村惣鎮守となりました。

神社入口と社号標 拝殿
拝殿挙鼻の、賢者の顔と鋭い爪を持ち、今にも飛び出しそうな龍の彫刻。
大正8年生まれの獅子頭デフォルメ狛犬。
江戸型ですが、全体に彫りが深く装飾的で、尾の形がこの時期の流行を採り入れています。
(大正8年建立)
本殿覆い屋 本殿正面。
三間社こけら造りの立派な社殿のようです。
本殿木鼻の狛犬と象。
本殿虹梁の龍の彫刻と、その他、牡丹、鳥などの精緻な彫刻類。
境内社数社 入口右の末社と青面金剛像、
珍しい「子待塔」など
元禄12年(1699)建立の水盤