四所神社

足利市朝倉町3丁目(平成19年4月5日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、足利環状線を八幡町方面に向かい、イエローハットの手前を左折した所にあります。昭和7年の狛犬が迎えてくれました。セーミ縮の特許記念と台座に書かれていて、さすが織物の町、足利だと思いました。鳥居と水盤には寛政8年の年号が刻まれています。神社の後ろは、明神山古墳群です。

 この社の創建は不明ですが、本殿は弘化4年(1847)建立、境内社・天王宮は文化2年(1805)6月吉日建立、鳥居と水盤は寛政8年(1796)奉納とありますから、遅くとも江戸時代中期には創建されていたことになります。
 御祭神は島根県・出雲大社の祭神である大己貴命等四祭神が祭られており、一つの社殿に四柱の神を並列して祭った例は足利市内では類がないそうです。
 又、神社裏手の山林一帯に、古墳時代後期の前方後円墳1基、円墳33基以上の古墳が群集しているということは、この地がかなり早い時期から人が住み着き発展していたということなのでしょう。

神社入口 境内の様子
昭和7年生まれの「セーミ縮 特許記念」で奉納された岡崎現代型狛犬 
「縮」は丹後で考案・製織されましたが、幕末の開港で海外貿易が盛んになり、
ちりめんの原料である国内生糸が高騰、安くて上質な輸入絹織物等の影響で丹後は混乱していました。
その時期に乗じて、綿ちりめんは足利で創意改良され、明治12年、「観光ちりめん」として復活しました。
この時「羽経御召」として特許をとった記念に奉納されたのでしょう。
(昭和7年建立)
拝殿 拝殿正面
拝殿内の様子 拝殿内に架かっている
「雅楽による舞、奉納の図」の額
弘文4年(1847)建立の本殿と覆い屋
二間社流造で、こけら葺き屋根。正面に二カ所、観音扉があり、
四枚の扉には登り竜と下り竜、鯉の滝登りと滝下りが描かれ、
壁には人物や花鳥の透かし彫りが彫刻されています。
境内社・富士嶽神社 境内社・天王宮
社殿脇の台座には文化2年(1805)6月吉日
建立の文字が見えます。
寛政8年(1796)奉納の水盤