板倉神社

足利市板倉町(平成18年3月7日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、松田葉鹿線を松田方面に向かい、道路から少し左に入った板倉地区にあります。昭和16年の恐そうな狛犬が迎えてくれました。拝殿から、さらに階段を登った所に本殿があります。正徳5年の水盤がありましたが、古い割には年号がはっきり読めました。それと県下でも珍しい大型石棒が納められています。
 「神迎祭」と云う神事が伝わっており、市の民俗文化財に指定されています。夜の7時頃から始まるそうです。ちょうど寒い時期なので、見に行くのは大変だと思いました。

 案内によると、御祭神は大己貴命、田心姫命、味耜高彦根命の三柱をお祀りしており、日光二荒山神社の分霊となっています。
 また市の民俗文化財に指定されている「神迎祭(おかえり)」が有名なようですが、これは旧10月の「神無月」に国内の神々が出雲大社に集まり、旧11月1日にそれぞれ国元へお帰りになるにあたり、板倉神社の神様は出雲大社と親戚のため、残務整理で一足遅れて旧11月初午の夜に帰ってくるといいつたえられ、その神様をお迎えするための神事です。氏子達は朝から大きな注連縄を綯い、夜になるとお祓いを受けてから、村のはずれにある大前坂まで神様をお迎えに行きます。このとき「ダイショ、ダイショ、オムカイショ」と唱えながら行きますが、そこから神社に戻るときは一言もしゃべらないで帰るのが特徴です。写真で見ると、この注連縄は大蛇が棒にからみついているように見えるのですが、出雲の地では沢山の神社でこの様な藁蛇(龍蛇とも呼ばれる)を見かけたので、親戚筋といわれるこの神社でも注連縄の形を借りた藁蛇信仰が受け継がれているのでは?…と考えるのは、思いこみが激しすぎ?…でしょうか?
 また、板倉神社の神様は非常に醜い顔をしているので、人間に見られることを嫌い、「もしも見た者は3年以内に死ぬ」との言い伝えがあり、必ず夜に行われるのだそうです。

神社入り口と蛇のような注連縄
拝殿 拝殿内の様子
昭和16年生まれのしょうわ狛犬

(昭和16年建立)
拝殿から更に登りの本殿への参道
社殿前の額 本殿。
拝殿と本殿がこんなに離れ、
尚かつ高さが違う神社は珍しいかも…。
気が遠くなるくらい昔から子授けは神頼みだったのですね。
境内社・天満宮、疱瘡神、稲荷社 正徳5年(1711)奉納の水盤