地神塔
堅牢地神(けんろうじしん)は、仏教における天部の神の1 つで大地を司る。通常は女神であるが密教では男神と一対とする。十二天の一である地天と同一視される向きもある。
堅牢地天、堅牢地祇、あるいは単に堅牢と呼ばれる場合もある。大地女神として、地の堅牢と神の不壊とに解釈される。つまり大地を堅固ならしめる神である。また仏法が流布される処に赴いて、その仏・如来の法座の下にあって警護するという。
『金光明王経』八堅牢地神品には、資材珍宝伏蔵及び、神通長年妙薬を求め、衆病を治癒医療する。また怨敵を降伏させ、諸々の異論を制御せんとする時、浄室において道場を安置し、身を沐浴し、鮮潔の衣をまとい、草座の上にうずくまり、仏舎利尊像がある前、または舎利制底ある所にて、焼香・散華・飯食供養し、白月八日布灑星合する時に請召するとある。
また密教では、金剛界曼荼羅の四執金剛神の一尊である地天と同一視する。胎蔵界曼荼羅では堅牢地神として外金剛部院に男性神とその后が配列されている。その形像は肉色で男女共に女形をなし、男神は左手に鮮やかな華を盛った鉢を持っている。この鉢は大地を表し、鮮華は諸物生成の徳を表すとされる。女神は右手を心臓、左手を股にあてる。『覚禅抄』には雲中に坐す姿とし、その他さまざまな異形がある。密教ではこの神を供養(地天供)して地鎮の法を修する。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
徳島県では五角形の石柱(他府県では社日)を地神さんと呼んでいます。春・秋の彼岸に一番近い「戌」の日を社日と言い、その日は、農耕を休み「地神さん」の周りで祭礼を行う等、殆ど同じかと思われます。地神塔(じじんとう・ちじんとう)も、大地の神・農業の神を祭った塔であり、春分・秋分の日に最も近い戊(つちのえ)の日に、田の神と山の神が交代するので、農業の始まりと終わりであるという信仰から、鋤鍬を休ませて田畑を耕さないという。
要するに、大地の神に、春は豊作を祈願し、秋には収穫を感謝するといった祭が起源と思われます。その佛教版が堅牢地神。神道版が社日となるようです。
神奈川県平塚市・八坂神社の堅牢地神塔。元々ここあったのでは無く、道路工事等でここに集められたと思われます。
群馬県吾妻郡中之条町・報徳折田神社の堅牢地神塔