八坂神社

静岡市清水区蒲原2-13(平成20年6月28日)

東経138度36分34.36秒、北緯35度7分3.79秒に鎮座。

 この神社は御殿山南麓に鎮座しています。御殿山は江戸時代、徳川家康公の蒲原御殿の後ろにあることから名付けられたそうですが、元々は南北朝時代蒲原氏によって築城されたようです。蒲原氏は南北朝の動乱期の当初は南朝方でしたが、後に足利尊氏に属して北朝方として活躍しています。室町時代には今川氏の支城でしたが、今川氏が衰退すると後北条氏が蒲原城を占拠し、永禄12年(1569)には武田勝頼らの軍勢に攻められ、北条氏信は玉砕し蒲原城は落城しました。後、天正10年(1582)には徳川軍の攻撃により武田側は破れ、再び落城し廃城となりました。現在頂上は「狼煙場」と呼ばれていますが、此処から甲斐武田軍の南下を駿府に狼煙で知らせたのだそうです。
 又、山全体には約600本のソメイヨシノが植えられ、東海道屈指の桜の名所となっています。毎年春に行なわれる「さくら祭」では、広い境内や参道に特産品の桜エビや削り節などの水産加工品、軽食や飲み物を販売するお店が並び、この社がメイン会場となっています。祭り期間中は夜間にライトアップも行われ、幻想的な景観を呈しているようです。

 この社の案内は無く、御祭神は素戔嗚尊と思われますが、勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。

神社入口
境内の様子

まだ建立されて間もない狛犬ですが、江戸流れの中々渋い造りをしています。この狛犬の前には明治41年(1908)建立の狛犬がいたそうですから、もしかしたら先代の姿を踏襲しているのかもしれません。平成に入って狛犬も大分個性的な姿に戻りつつあり、嬉しい限りです。

平成22年10月5日、清水区蒲原に在住のkambara2さんよりメールを戴きました。
先日は鞘堂と本殿の写真のことばかりに気を取られ、「狛犬」のことを書くのを忘れました。ページに記載されているように、できる限り忠実に元の姿を再現させたそうです。(作ったのは地元の石材屋)。中国製の既製品を使えばぐっと安くできるのだそうですが、元どうりの姿にと拘ったそうです。嬉しいですね。

狛犬の拡大写真はこちらで
(平成20年(2008)3月吉日建立)
拝殿 拝殿に架かる社額
本殿鞘堂
本殿は江戸後期の造営で、 一間社流造・板葺の社殿です。

平成22年9月30日、清水区蒲原に在住のkambara2さんよりメールを戴きました。
「八坂神社」の本殿が100年ぶりに立て替えられ、中に納まっている祠も200年ぶりに再建されました。写真を添付いたします。

新築された鞘堂と本殿