熱海市上宿町4-12(平成18年11月12日)
この神社は熱海観光の代表地の一つ・大湯間欠泉のすぐ傍に鎮座しています。道路を挟んだ反対側には、徳川家康が入浴したことにより「出世の湯」と呼ばれるようになった大湯があり、四代将軍の徳川家綱の頃からは御汲湯と称されて、年に数回、現代でいう宅急便のように、昼夜を継いで大急ぎでこのお湯を江戸城の将軍浴場へ運んでいたのだそうです。周囲はホテル街ですが、鎮守の杜が残されたこの神社の社地にはいると、不思議と静かで落ち着いた雰囲気が漂い、熱海の中心街にいることを忘れさせてくれます。
由来記には
御祭神:少彦名神
由緒:旧記によれば、「天平・勝宝元年(749)に神が小童に託して「諸人この温泉に浴せば諸病悉く治癒せん」といわせた事により、里人が祠を建て少彦名神を祀った。」とありますが、熱海に温泉のわき出す以前からこの神社は鎮座していたものと思われます。永正18年(1521)、寛文7年(1667)に再興しています。平安期より明治に至るまで公家、将軍、大名などを始め一般庶民の篤い崇敬を受けていました。
特殊神事:献湯祭、湯汲み神事
とあります。
又、一説には約1200年前に高僧万巻上人が、熱海の海中に湧いていた温泉の泉脈を山の中腹に移し、人々が温泉を利用できるようにし、その近くに祠を建立したのが湯前神社の始まりだともいわれています。