来宮神社

熱海市西山町43-1(平成18年11月11・12日)

 この神社はJR東海道本線・来宮駅の北東約200mに鎮座しています。20年ほど前には何回か訪れた事のある神社ですが、鬱蒼とした鎮守の杜はそのままに、しかし社殿や人の多さは随分と様変わりしていました。
 御祭神:大己貴命、五十猛命、日本武命
 由緒:式内・阿豆佐和気命神社にも比定される古社で、古くから来宮大明神と称し、熱海郷の地主神で、福の神・縁起の神として信仰されてきました。
 社伝によると、大己貴命は又の名を大国主命、後には大黒様と云われ古代出雲の神々が海、山を渡られて伊豆地方に進出されたときに、この熱海の里が海、山に臨み、温泉に恵まれ、風光明美にして、また諸物資の豊かなことを喜び、ここに住居を定めたと伝えられています。
 五十猛命は素盞嗚尊の御子で、朝鮮から樹種を持ち帰り、日本全国に植樹した神であり、和銅3年(710)に祀られました。伝承では熱海湾で漁夫の網に木像らしき物が入っていたので、不思議に思っていると、童子が現れ「我こそは五十猛命である。この里に波の音の聞こえない七本の楠の洞があるからそこに私を祀りなさい。そうすれば村人は勿論この地にくる者は全て守護するであろう。」と告げられ、村民達が探し当てたのがこの地でした。毎年7月14・15・16日には当時を偲ぶお祭り(七月の例大祭・こがし祭)が行なわれています。
 日本武尊は人皇第十二代、景行天皇の御代、東征のおり箱根路からこの地に軍を進められた時、住民を労り、産業を奨励した功績と、武勲を称え、祀られたといわれています。
 この他例祭行事には県無形文化財に指定されている鹿島踊りや浦安の舞などの神女舞が奉納されています。
 この神社へは11日の夕方16:00頃に立ち寄ったのですが、もう薄暗くあまり状態の良い写真が撮れなかったので、翌日12日の帰りがけにもう一度参拝させて頂きました。この日は天候も回復して晴天だったので、境内には沢山の参拝客がいらしていました。というわけで、写真にバラツキがありますので、ご了承を…。

神社入口 参道の様子
大正7年生まれの狛犬。
阿は玉を、吽は親そっくりな大きな子を連れています。
やはり、この地方独特な上半身がふくよかな姿で、顔も穏やかです。
鬣、尾は比較的短くカールと流が滑らかにでています。
(大正7年5月建立)
荘厳な拝殿 拝殿内の様子
拝殿奥にいる金箔漆塗りの神殿狛犬。
遠いのと暗いのとで余り良い出来の写真ではありませんが、かなり精悍な顔をした狛犬です。
吽には角がありますが、前に教卓のような物が置かれ良く見えません。
本殿 境内社・弁財天
境内左奥、御神木・国指定天然記念物大クス 入口
「長命、願望成就の大楠」といわれ、幹周り23.9mで全国で第二位の太さを誇る巨樹です。
根が地上部分まで盛り上がり、主幹には瘤状の隆起がいくつもできています。
主幹は根元から二つに分かれていて、片方は高さ5mほどのところで切られ今はトタン板で保護されています。
もう一方の幹は樹高26m程で、この木を1周すると1年間長生きするといわれています。
参道途中のもう一本の大クス。
裏側は空洞になっていて祠が置かれています。
境内社
境内社の小さな 狼?山犬? 
初めは狐かと思いましたが、精悍な顔と鋭い牙垂れた尻尾など、どう見ても狼のようです。
(昭和47年12月吉日建立)
境内社・社号標「来宮総社 稲荷神社」 入口と社殿
稲荷神社の神使い・狐さん
(昭和32年2月初午建立)
参道脇の岩坐
木彫りの表札や看板を作られている
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