阿太加夜神社

八束郡東出雲町出雲郷(平成17年11月27日)

 「出雲国風土記」で阿太加夜社と記されたこの神社は、松江市から国道9号線・山陰道の旧道を安来方面に向かい、意宇川を渡るとすぐ右手に鎮座しています。
 9号線脇に大鳥居が建ち、戻るような感じで右折すると、随神門が建ち、明るい境内の周囲は鬱蒼とした杜で、その中に大きな拝殿と、大社造りで、檜皮葺きの屋根が素敵な本殿が建っています。その杜の大木には初めて見た、稲藁で造られた阿吽の龍蛇が巻き付けられていました。

 由緒によると、御祭神は阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキギヒメノミコト)、配祭神は国之底立命、須佐之男命、淤母陀流命(オモダルノミコト)、阿志古泥命(アシコネノミコト)、境内社・稲荷神社・宇火之魂命(ウカノタマノミコト)、雨風神社・奥津彦命、奥津姫命、級長津彦命(シナガツヒコノミコト)級長津姫命(シナガツヒメノミコト)、兵庫神社・松岡兵庫頭です。
創建は不詳ですが、天平5年(733)の風土記に記載されています。代々の藩主に庇護され社殿の修復などが行われてきました。通称芦高大明神と呼ばれ近郷の信仰を集めています、とありました。

 またこの神社は、日本三大船神事の一つ「ホーランエンヤ」が有名で、これは、松江城の城山稲荷神社の御神霊を約10km離れている出雲郷のこの神社へ水路お迎えし、7日間にわたって豊作や繁栄のための大祈祷が行われる祭りです。この船神事は12年目ごとに行われ式年神幸祭と呼びますが、一般には「ホーランエンヤ」の通称で親しまれています。約100隻の船が1kmにわたってつながれ、宍道湖、大橋川、中海、意宇川を往復する華麗な水上パレードは、広島厳島神社の管絃祭、大阪市天満宮の天神祭と並んで日本三大船神事の一つといわれ、約350年の歴史をもつ壮大な船祭りです。最近では平成9年5月に行われました。

神社入り口 随神門
随神門内のユニークな木彫狛犬。何回見ても笑ってしまいます。
社殿 拝殿
拝殿に掛かっている額 檜皮葺き大社造りの本殿
物陰に隠れた阿と堂々と境内に存在感を示す吽。昭和12年生まれの出雲丹後狛犬。
(昭和12年4月建立)
境内社・稲荷神社 境内の様子
初めて見た阿吽の龍蛇
吽の龍蛇 阿の龍蛇
日本三大船神事「ホーランエンヤ」で使用される船
境内の彩り、素晴らしい紅葉。