金屋子(かなやご)神社

雲南市吉田町吉田(平成24年9月1日)

東経132度50分29.43秒、北緯35度09分52.88秒に鎮座。

 この神社は松江自動車道・雲南吉田ICから38号線を経て、吉田町吉田の中心部へと向かう途中、吉田川手前に鎮座しています。
 道路から石段が造られ、上がりきると、草原の平地左手奥に鳥居が見えます。鳥居を潜り、またも石段を上がると、随神門。境内左手に神楽殿らしき建物が配され、中央奥石段上の境内に、狛犬に護られて神殿が建立されています。
 この地は、古くから『たたら』による製鉄技術が盛んだった様で、日本で唯一残された「菅谷たたら山内)」が現存する吉田町の中心部には、「鉄の歴史博物館」「山内生活伝承館」「鉄の未来科学館」などが散在し、鉄の歴史や文化を知る上で貴重な経験をさせていただきました。

御祭神:金屋子神
祭礼日:不明
由緒:この社の勧請年月・縁起・沿革等については案内がなく不明です。
 全国に約1200社ある、金屋子神社(たたらなど鉄に関わる仕事に従事する人々の守護神)の御本社は、安来市広瀬町に鎮座しています。

 島根県出雲地方は、古来より『たたら』と呼ばれる伝統技法による製鉄が盛んに行われていました。 明治以降、近代洋式製鉄法にその位置を譲るまで、島根県は全国の製鉄の中心でした。
 『たたら(蹈鞴)』とは元来ふいご(風を送る道具)の意味で、『たたら製鉄』とは粘土製の炉の中に、原料(砂鉄)と、燃料(木炭)を交互に装入し、砂鉄を溶かして鉄の塊を得る技術です。
 その由来は大変古く、技術とともに大陸から渡って来た言葉のようです。たたらや鍛冶、鋳物等に携わる人々は、金屋子神と呼ばれる鉄の守護神を信仰していました。金屋子神は高天原から播磨国に天下った後、白鷺に乗って出雲国比田村の桂の木に飛来し、発見した安部正重らに製鉄技術を教えたとされています。
 雲南市吉田村の「菅谷たたら」は、映画「もののけ姫」に登場する「たたら場」のモデルとなりました。ここには、たたらの製鉄炉と建物(高殿)が日本で唯一保存されており、たたら師たちの生活を今に伝えています。菅谷たたらを経営していたのは、日本一の山林王といわれた田部家でした。田部家は絲原家、櫻井家とともに「松江藩鉄師頭取御三家」と呼ばれました。
(サイト「しまね観光ナビ 島根のたたら」より)

社頭
石段参道
神社入口
明神鳥居
境内へと上がる石段参道
随神門
下の境内・神楽殿?
上の境内入口
建立年代不明の出雲構え獅子
狛犬の拡大写真はこちらで
上の境内の様子
手水鉢
神殿 社額
神殿の目貫彫刻・竹藪の虎
神殿木鼻・象
鎮守の杜
ご神木