水道水神社

松江市西忌部町下忌部(平成17年11月26日)

 この神社は松江市街地から24号線を南下した千本貯水池北に鎮座しています。この貯水地の北西側は、千本水神社公園として整備されており、その中心にこの神社が鎮座しているのです。大正期に千本ダムが完成したおりに創建されたものと思われますが、その時期や由緒については不明です。
 今でこそ水の都・松江と云われる地域ですが、ここは以前、皮肉なことに飲料水には恵まれませんでした。明治期にはコレラをはじめとする伝染病で悩まされていましたが、これは生活排水も流れ込む堀川の水を生活用水に使っていた為でした。そこで松江市にも上水道を建設したいと考え、いろいろ調査を進めましたが、あまりにも費用がかかりすぎる為、いったんは断念。それでも上水道の必要性は増すばかりとなり、忌部川水系の谷間に堤防を築いて貯水池を作る計画がもっとも効率的なことが分かり、大正4年から工事を始め、大正8年に忌部の千本ダムが完成したのでした。忌部は、こうして松江市の貴重な水源地となりましが、皮肉なことにこの地区の大部分が千本ダムより高地なので長い間、上水道の恩恵を受けることは出来ませんでしたが、平成2年に忌部高原地域内に有力な水源が見つかり、平成9年から忌部でも水が心置きなく使えるようになったと云うことです。

神社遠景。紅葉がとても綺麗な一画にこの神社は鎮座していました。
社号標 神社入り口
建立年代が不明の出雲丹後狛犬
社殿 千本ダムと千本貯水池