忌部神社

松江市東忌部町宮内(平成17年11月26日)

 この神社は松江市街地から24号線を南下し、千本貯水池を通り過ぎ、東忌部町宮内の24号線沿いに鎮座しています。自然石の大きな社号標と鳥居、貫禄充分の出雲構え獅子が道路からよく見え、その奥に直登の長い階段。境内のお隣は忌部小学校です。地区名でもある忌部は祭祀を司る一族で、後の中臣氏=藤原氏の遠祖です。その忌部氏の先祖・天太玉命を祀る総社がここだそうです。広々とした境内周囲には幹周り5m以上もあるイチイガシの古木なども聳え、落ち着いた中にも威厳に満ちた空間が創造されています。

 案内によると、主祭神は天太玉命、配祭神は天照大御神(日御崎神社より勧請)、天児屋根命(春日大社より勧請)外22神。平安時代に忌部神戸内鎮座の22社を合祀し、二十二社総権現、総社大宮大明神と称し、忌部神戸の総社として神祇令により神戸内の官物を供進しその官祭を開いていました。その後、明治末まで大宮神社と称していましたが、明治44年1村1社制により、式内村社・久多美神社(大穴穿遲神外3神)無格社・山智神社(事解男神外1神)無格社・七次神社(國常立尊外14神)無格社・素鵞神社(素盞鳴命)を合祀して社名を忌部神社と改称し、現在に至りました。

社号標 神社入り口
未だ子狛を連れた出雲構え獅子の事例が少ないので確証はないが、
多分昭和初期の製作ではないかと思われます。
チョコンと座った姿が何とも可愛く、摩耗して顔の表情がよく見えないのが残念です。
境内から見た入り口方面 神門、境内から
神門内の木彫神殿狛犬。格子越しの撮影でこんなアングルからしか撮れませんでした。
身体の上部を綺麗な苔の絨毯で覆われた、明治生まれの出雲丹後狛犬。
阿吽が反対位置で尚一層足の逞しさが目立ちます。
(明治15年9月19日再建)
拝殿 本殿
拝殿前の出雲構え獅子、最古参なのか、もう細部は何が何やら判別が付きません。
境内社・稲荷神社、若宮神社 境内社・荒神社、岩神
境内社・稲荷神社、若宮神社の出雲丹後狛犬。小さいけれど老齢のせいか風格が漂います。
イチイガシ
大きさ:幹周り5.36m 樹高34m
境内の様子
境内入り口の紅葉と狛犬、
絵になる構図です。