比津神社

松江市比津町(平成17年11月24日)

 この神社は松江から恵曇港へ向かう37号線の滝戸池隣に鎮座しています。由緒によると創建は不詳ですが、出雲風土記に載っている古社だそうです。往古は宍道湖の入湾に突き出た少丘陵上にあり、幾多の変遷を経て宝暦年間(1751〜1763)に当地の産土大神として鎮座しました。中古には突貫大明神、又は比津村都支努神社と呼ばれていたようです。御祭神は経津主命で、この神様は、日本書紀によれば天孫側に立って大国主命に国譲りを承諾させた武将で、天孫系です。
 スギや紅葉の鬱蒼とした混合林の鎮守の杜を保つ落ち着いた神社で、入り口には二対の出雲構え獅子が、境内には可愛い感じの出雲丹後狛犬が居り、又、裏手の総荒神には大きな蛇がご神木に蜷局を巻いていました。

神社遠景 神社入り口

入り口鳥居後ろの阿吽が反対位置の出雲構え獅子。
来待石で作られた狛犬としては110年も経つのに、綺麗に保たれています。
(明治15年9月吉日建立)
小振りで阿吽が反対位置の出雲構え獅子。
舌や歯並びがよく見えるせいか扁平なゲジゲジ眉毛のせいか
ヤンチャ坊主が飛び出してきそうな感じです。
境内入り口 苔むして渋い感じのお手水
境内で入口を振り返る 境内に建つたくさんの灯籠
拝殿 本殿
境内裏手の総荒神。
荒神には、屋内の火所にまつられる三宝荒神,
屋外にまつられ同族や部落でまつる地荒神,
牛馬の守護神としての荒神の三つの祀り方がありますが、
この場合は岡山・島根両県に多く分布する地荒神の内の産土神荒神の様です。
境内社・若宮神社、稲荷神社 五角柱には大己貴命、天照大神、
倉稻魂命 、埴安媛井日、少彦名命の文字が。
社殿のような作りの灯籠。
屋根の妻には構え獅子が彫ってあります。
始め文化12年に作られた狛犬が何らかの理由で阿だけが壊れてしまったのでしょう。
阿吽の年代が65年ほど違っています。同じ出雲丹後でも流行があるようで、微妙な違いを感じます。
(阿・明治13年2月  吽・文化12年(1815)9月吉日 建立)