小田神社

近江八幡市小田町(平成16年11月22日)

御祭神は大山咋神、配祀神は罔象女神(ミズハノメノカミ)、若雷神(ワケイカヅチノカミ)、八上比賣命(ヤガミヒメノミコト)、大国主命、須佐之男命です。その昔倭姫尊が、天皇の代理として伊勢皇大神宮に献る稲米の耕作を司る土地をお探しになった時に、湖畔に住みついていた里人に農業開田の事を教えられた。その神徳に酬いる為創立されたのがこの神社と伝えられています。大きく重厚な楼門、綺麗に掃き清められた境内、社殿、天高くそびえる社叢、整然として清らかな神社でした。

小田神社には現在、国の重要文化財として指定されている大変立派な楼門があります。この楼門に面白い逸話が有ります。
安土城を築いた織田信長は、たびたびこの地に訪れてこの楼門の美しさに惹かれました。そして、この楼門を安土に移そうと考えました。当時の楼門は、お祭りの神輿を担いで楽に通過できるほどの高さがあり、大変大きく立派なものでした。
信長の話を知った当時の氏子たちは、「これはたいへん」とばかりに、どうすれば信長の怒りに触れぬようそれを中止させられるか悩みました。そこである夜、ひそかに暗がりの中で楼門の柱を三尺(約1メートル)ばかり切り縮めたといわれます。翌日訪れた信長は、昨日までの雄大な楼門が一夜にして縮小されている姿を見て、「これこそまさしく、神のなすところならん」と、大いに恐れてこれをあきらめたといわれています。
このため、お祭りの太鼓や神輿も今では腰をかがめて楼門をくぐって渡御しています。
(近江八幡市教育委員会発行「近江八幡ふるさとの昔ばなし」より)

神社入口、明神鳥居

重文の楼門

拝殿

拝殿横と本殿

本殿正面と見事な彫刻

厳つい顔で空を見上げる京尾立狛犬

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