白鳥神社

神埼郡能登川町種(平成17年3月22日)

この神社は愛知川にほど近い所にあり昔は鷺などが沢山飛来していたのでしょうか?境内に鷺のブロンズ像がありました。又ここの樹叢は珍しく杉と竹林とで構成されていましたが、此処では竹筒を使用する御管神事が執り行われる為・・・と納得しました。神事については下記をご覧下さい。此処は境内の大きさに比して灯籠の数、社殿の大きさ、境内社の立派さ、狛犬の数の多さなどが印象に残っています。

(昭和16年3月建立)

【種の御管神事】
 この神事は、年の初めに五穀豊穣を祈り、また竹筒に入った粥(しるかゆとかたかゆとの間ぐらい)の状態でその年の作物の状況を占う神事です。
 神事は1月15日朝6時30分に、宮世話(村民より2年の任期で選ばれ、半数ずつが交代)6人が集まり準備を行います。
 供え物は、洗い米、小豆、塩水、スルメ、竹筒7本で本殿内陣の三方の上に置きます。米は、以前は神田で作られていましたが、いまでは宮世話の持ち寄ったものを使います。
 竹筒の竹は、しのべ竹と言われる種類のもので、福堂地先の土手で採れます。竹は長さ15センチ、直径2センチぐらいのもので、両端をななめに切って、粥が入りやすくしてあります。竹には鋸で刻み目をつけ、素焼き状の土器にのせます。かまどと玉串は本殿下の階段横に置きます。
 午前7時に、宮司を先頭に宮世話は本殿前に向かい、奉告祭を行います。参列者は、普段着で円座にすわり、その前に扇子を置きます。皆がお祓を受けた後、この「御管神事」が行われ、代表が玉串を捧げます。
 祭事が終わると、お供え物をさげてカマド(くど)で、お供え物を焚く用意をします。使うカマドは、直径30センチ、高さ26センチの瓦製で、それをブリキで覆った木製の台の上に乗せます。また、カマドの上には、鉄製の釜(直径21センチ、深さ20センチ)を置きます。
 準備ができると、釜の中に水を入れ、火をつけます。まきは、森の中の枯れ枝を使います。湯が沸いたところで洗い米(6〜7合)と、小豆(8勺〜1合)を入れ、ふき上がった頃に7本の竹筒を入れます。炊いているうちに米と小豆が竹筒の中に入っていき、できあがるまでに30分〜1時間かかります。炊き上がった粥はカマドのまま、社務所まで運ばれ、竹筒を釜から上げ、皿に乗せて判定する場所まで運ばれます。
 評定は9時頃から行われます。上座に区長、左右に当人、農業委員、評議員、宮世話代表などが座ります。宮世話の長が、まな板の上に竹筒を1本ずつのせ、横にした竹筒の上部3分の1ほどを、はぐようにして包丁で切り、中が見えるようにして、三方に乗せていきます。三方に7本そろうと、評定衆が見て判定をします。
 判定の目安は次のとおりです。
 ・米と小豆の混入具合。
 ・中身のつまり具合−バランスよく詰まっているか、空洞になっていないか。
 ・小豆は「みよさ」(実の十分に熟していないもみ)をあらわすので、小豆は少ないほどよい。
 判定が決まると、それを表にして、再び合意を求めます。この判定が決まると評定に加わらなかった宮世話が、分担して竹筒(御管)の表に上・中・下の印を押します。また、炊いた粥は飯茶椀にもって、評定衆と参加者に振舞われます。その頃になると、氏子の農家の人が参拝し、米を納め御管の表をもらって帰ります。この評定の結果を見て、農家は本年の作付の参考にしますが、とくに「上々」という結果の出た作物は豊作疑いなしと言われています。
 またこの御管表は額に納められて、社務所の壁に1年間掲げられます。
(ふるさと百科 能登川てんこもりより)

神社入口、参道の両側は
住宅地になっています。

如何にも相応しい鷺の像

堂々とした拝殿。此処にも
狛犬が居ますが新しい為割愛

銅葺きに変ってしまった
幣殿と本殿

如何にも戦時中に作られたと分る厳めしい狛犬

幣殿内の下ぶくれ、眼が恐い浪花狛犬。これも時期のせいか。

(昭和17年4月建立)

境内社・稲荷神社

境内社・野神社

境内社・日吉神社

境内社三社をお守りするしょうわ狛犬