甘酒祭り

平成21年6月14日に参拝した時、「甘酒祭り」のお話を伺っておりましたが、狭山市住民の友人よりお声が掛かり、平成22年2月10日・11日の両日、梅宮神社を訪れたのであります。

上奥富の梅宮神社で毎年2月10日・11日の両日に催される甘酒祭りは、県内でも有名な祭りのひとつです。この祭りは、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)から彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)が産まれたのを喜んだ大山祇神(おおやまつみのかみ)が、清浄な田でとれた米から白酒を造り、天地神に祀(まつ)ったところからはじまったといわれ、盃(さかずき)を勧めては謡(うた)いをあげ、さらに盃を重ねるという饗宴型(きょうえんがた)の酒盛り祭りです。
 この祭りは県指定の無形民俗文化財となっていますが、それは祭り自体の珍しさに加え、その運営が関東地方では他にみられない頭屋制(とうやせい)で行われているためです。頭屋制とは氏子を数組に分け、その中の1組が1年を単位とする輪番制で祭礼に奉仕することで、現在は9組の頭屋からなっています。
 祭りの主役は、頭屋の中から選ばれる杜氏(とうじ)です。杜氏は甘酒の仕込みをする主宰者で、かつては格式と財力がなければ勤まらなかったとされるほどの大役です。甘酒の「つけ込み」(仕込み)は1月中旬に行われますが、この作業は蒸し上がった米に麹(こうじ)を手際よく混ぜ、水といっしょに樽の中に移すことで、以前は杜氏の家で行われていましたが、現在は温度管理が可能な酒蔵で行われています。

 2月10日は宵宮(よいみや)です。この日は、座揃式(ざぞろいしき)と呼ばれる神事が夜に行われます。座揃式は厳粛な神事で、領主役を勤める氏子総代らを社務所に迎えて行われます。領主とは川越藩主だった松平信綱(まつだいらのぶつな)のことで、慶安4年(1651)に当社を参拝して饗宴に招かれてから以後、主賓になったといわれています。座揃式は、盃を勧めてはそれを飲み干し、謡いをあげては再び盃を重ねるという形で進みますが、頭屋は儀式の進行役を勤める相伴当(しょうばんとう)を除いては、一切この席にでません。杜氏が出座するのは式の中ほどで、領主から神酒の出来栄えについて褒(ほ)め言葉を賜るときのみです。
 11日は大祭です。この日は参道の両側に露店が並び、境内はたいへんな賑わいをみせます。夕方になると頭渡 (とうわた)しが行われますが、これは頭屋を引き継ぐ神事です。拝殿には、1年間にわたって頭屋を勤めた「本頭屋」と来年頭屋を勤める「受け頭屋」が列席し、盃のやり取りが謡いをあげながら行われます。
 頭渡しが済むと、頭送(とうおく)りの儀式がはじまります。これは、本頭屋と受け頭屋に担がれた樽神輿(たるみこし)が杜氏宅を出発し、神社でひと練りしたあと受け頭屋の杜氏宅へ送り込まれるもので、以前は村内を練り歩き、夜遅くなってから送り込んだとのことです。
狭山市公式ホームページより。

「その運営が関東地方では他にみられない頭屋制で行われ・・・・・」とありますが、氏子さんのお話によれば、今、頭屋制を維持するのは大変なご苦労が要るようです。現在はほぼ役割が決まっており、各担当の氏子さんは中々大変そうです。

10日の宵宮。既に氏子の御家族が集まっております。

座揃式の為、領主役を勤める氏子総代らを社務所に迎える。

座揃式の様子

11日の大祭。参道には屋台が並んでいます。

甘酒が振る舞われています。甘酒を入れる樽。

拝殿内の神事

正直申し上げて、氏子で無い我々には何をやっているのか良くわかりません。しかし見学は自由なのでどなたでも祭りに参加出来ます。