八幡・若宮八幡神社

熊谷市押切1056(平成21年7月5日)

東経139度19分37.97秒、北緯36度7分50.68秒に鎮座。

 この神社は47号線が荒川に架かる押切橋南詰め下に鎮座しています。規模的には小さい神社ですが、整備清掃が行き届いた綺麗な神社です。又此処には建立年代不明の古い狛犬や、昭和初期の素敵な江戸流狛犬が居て、大感激を味逢わせてくれました。

 御祭神:誉田別命
 祭礼日:新年祭・2月19日、大祭・10月15日、感謝祭・12月1日
 境内社:神明社他一社
 由緒:村社八幡・若宮八幡神社は明治初年まで八幡宮と称していました。明治5年上押切御正山若宮坊東陽寺の氏神若宮八幡社の御祭神仁徳天皇を移転合祀し、同時に現社名に改称しました。
 御神体は明治初年まで誉田別命の乗馬の姿でしたが、合祀の際これを徹し御幣としました。なお、大正4年、大嘗祭記念として鏡を御神体として奉斎しました。
 創建は不詳です。文化6年(1809)、同7年(1810)、文政10年(1827)と度々の大洪水で流失したため、用水堀のほとり(元八幡)に仮本殿をつくり、文政12年(1829)現在地に遷座しました。
 大祭には「ささら獅子舞」が奉納されます。

社頭
境内入口 社号標
「鎮守 八幡・
若宮八幡神社」
参道途中の明神鳥居と境内の様子
拝殿石垣前、建立年代不明の狛犬
この日見てきた狛犬の中では、一番好きな、素朴で楽しい狛犬でした。台座が少し欠け、焼けこげたような黒ずみが見えますが、狛犬そのものの保存状態は非常に良好です。潰れたような顔つき、線書きの鬣、寸胴の胴体、お尻に張り付いた尾など、初期の狛犬の特徴を全て備えているので、1600年代から1700年代前半の狛犬と思われますが、いかがでしょうか? 台座には「笠原氏保儔?」の文字が刻まれています。笠原氏は北条早雲に繋がる武家の家系のようですが、「保儔?」の読み方も意味も分かりません。拡大写真に載せてありますので、何方かご存じの方はお知らせ下さるとありがたいです。
狛犬の拡大写真はこちらで
昭和5年生まれの江戸流狛犬
江戸流狛犬とはいっても、頬の薄いところや、鬣が横に広がりを見せている点など、松本あたりでよく見かける狛犬に類似しているように見え、純粋な江戸流とは多少異なる感じがします。この狛犬の奉納者にも「笠原儀八」銘があり、上記の狛犬の奉納者の家系がこの地域で連綿と続いていて、又、並々ならぬこの社への崇敬の念があることも覗えますね。この時期の狛犬としては非常に出来の良い物と思われます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和5年(1930)10月15日建立)
拝殿
拝殿木鼻・狛犬
本殿覆い屋
凝った彫刻の施された本殿ですが、透かし塀の外側からなので全容を撮すのは困難でした。
末社 境内社:神明社
神明社向拝彫刻
神明社側面に取り付けられた木鼻・狛犬