久伊豆神社

加須市北辻222(平成19年1月20日)

 この神社は、はなさき水上公園の南800mに鎮座しています。入口右側には市教育委員会による「市無形民俗文化財・北辻の甘酒まつり」の案内板がたっています。真っ直ぐ奥へと続く細い石畳の参道脇は、境内の左右に聳える大きな銀杏のご神木から落ちた銀杏が、足の踏み場もないほどに一面に敷き詰められています。そして境内中央にはドラエモンの様な顔つきの構え狛犬が居ました。
 この神社に案内はなく創建は不明ですが、久伊豆神社(ひさいづじんじゃ)は、埼玉県の元荒川流域を中心に分布する神社です。その分布範囲は、平安時代末期の武士団である武蔵七党の野与党・私市党の勢力範囲とほぼ一致しているそうです。多くは祭神として大国主命、事代主命など五柱が祀られ、除災招運や開運出世の神として、また近頃では「ヒサイズ」と読まずに「クイズ」というその読みから「クイズマニア」の参拝も多いようですが、本来は騎西町の玉敷神社が久伊豆神社の本社的存在といわれています。因みに玉敷神社の御祭神は大己貴命です。現在、久伊豆神社として残っている社では、越ヶ谷久伊豆神社、岩槻久伊豆神社が有名です。
 「甘酒まつり」は北辻地区に伝わる市無形民俗文化財で、毎年10月17日から19日にかけて行われていましたが、近年はその日に近い金、土、日曜日に行われるようになりました。五穀豊穣、厄病除けの祈念のためのお祭りで、当番の耕地が春に神田の田植えを行い、秋に収穫した新米で甘酒をつくり、神社で宮司が奉納したあと、参拝者にも振舞われるのだそうです。

神社入口 境内の様子
地面の赤茶色の部分は全てギンナンで足の踏み場もなく、狛犬撮影や年代を調べるためかがみ込むと、その臭気がム〜ッと鼻につきました。
建立年代不明です。鼻の下が長い狛犬で、夫は「ドラエモン狛犬」と呼んでいます。双方ドッシリと落ち着いた構えの吽で、とても優しい眼をしています。
(安政3年(1856)2月建立)
拝殿 本殿覆い屋
境内社 境内社
拝殿前から入口を振り返る。
前方は一面の田園地帯です。