寶登山(ほどさん)神社

秩父郡長瀞町長瀞1828(平成18年9月10日)

 この神社はJR秩父鉄道・長瀞駅の西約550mに鎮座しています。秩父神社、三峰神社とともに秩父三社として祀られている神社で、山を背後に、広大な社地を持つ神社で、地元のみならず、関東一円からの参拝者は、年間100万人を越える超有名神社です。
 御祭神は神日本磐余彦尊(神武天皇)、大山祇神、火産霊神です。創建は西暦111年、今からおよそ1900年前、第12代景行天皇の御代と伝えられています。日本武尊が東征の折り、山火事にあい猛火に包まれた時、どこからともなく現れた大きな白犬や黒犬が火に飛び込んで消火し、さらに日本武尊一行を頂上へと案内したといわれている伝説の地で、宝登山の東麓に祭られています。日本武尊はその犬達を「山の神様の使いである。」と言い、その事から「火止山(ほどやま)」という名を付けたという事です。かつては火止山と表していたのが現在名になったのは、弘仁年中(810〜823)に宝珠の山が光り輝きながら山の上を飛んだという不可思議な事象が起こり、この吉祥事により寶登山と改称したのだそうです。この巨犬は御眷属と呼ばれ、火防、盗賊除け、諸難除けの守り神として広く信仰されています。社殿は江戸末期の再建で、欄間には「二十四孝」を始め多くの彫刻を施してあります。
 この神社独特のお祭りは、毎月7日、15日に行われるお炊き上げ祭の神事で、神社の由来から忌火でお米を炊き、眷属の犬へとお供えするものです。早朝白飯を本社にてお供えした後に、山頂の奥宮へとお供えします。境内社の宝玉稲荷神社では15日に、あずき飯を炊いてお供えしています。(宝登山神社公式HP参照)
 又宝登山はダイダラボッチが箕山と一緒にモッコに入れて、天秤棒でかついできてこの地に据えたという言い伝えが伝説として残っています。ダイダラボッチ伝説のあるところは産鉄伝承があるところと一致している事が多いのですが、この地の付近には金属地名が沢山あり、又秩父は古代和銅が採れたことで有名です。

神社入口 境内への階段
昭和12年生まれの福島型狛犬。にこやかですが、無骨な感じがします。阿は玉を、吽は屈んだ子狛を連れています。
(昭和12年4月3日建立)
煌びやかな彫刻が施された
権現造りの拝殿
拝殿内の様子
拝殿の見事な彫刻類
拝殿の額にはやはり精緻な龍の彫刻 本殿
拝殿正面の躍動的で華美な彫刻類
拝殿の木鼻は動きのある龍です
拝殿の脇障子
本殿の脇障子
「みそぎの泉」
日本武尊が東国平定の道すがら、山麓の泉で「みそぎ」をされ、寶登山に登られたと伝えられます。この泉は「玉の泉」とも称し、往時を偲ぶよすがとなっています。
境内社・藤谷淵神社
御祭神は、伊勢大神天照大神・豊受大神)、八坂大神(素戔嗚命)、野栗大神(野栗大神)、諏訪大神(建御名方神)、琴平大神(大国主命)、熊野大神(伊弉冉命)、榛名大神(埴山毘売命)、竃三柱大神(奥津比古命・奥津比売命・火産霊命)です。
境内社・天満天神社
(菅原道真公)
招魂社
明治・大正・昭和の戦争で亡くなった、長瀞町出身の人々が祀られています。
神楽殿