船底宮

鳥栖市宿町1266(平成23年8月5日)

東経130度30分33.03秒、北緯33度22分38.25秒に鎮座。

 この神社は34号線・宿町信号を西に入ると100mで右側に鎮座しています。社地は生け垣と金網のフェンスで仕切られた親しみやすい神社で、入口には燈籠二基と鳥居が立っています。境内入口には未だ新しい注連柱が立ち、境内に入ると沢山の木々の中でも社殿右横の大楠がドーンと視野に飛び込んできます。
 拝殿前には明治生まれの独創的な狛犬が居り、それだけでも嬉しいのに、本殿縁にも明和2年(1765)生まれの上品な狛犬が居り一段と喜びが増しました。拝殿の彫刻もしっかりとした彫りで、古社に相応しい佇まいと共に、古人の崇敬の篤さが感じられる神社でした。

 御祭神:表津綿津見命、中津綿津見命、底津綿津見命
 祭礼日:春の大祭・2月15日、秋の大祭・10月16〜19日
 境内社:若宮神社他一社
 由緒:天智天皇元年(662)2月15日、当地の地頭狭山某 麓村大字牛原に尾張国熱田神宮の分霊を奉斉し、東屋明神と称えたり。爾来四阿屋神社の創始なり。尚、仝神社は延暦10年、住吉大明神 春日大明神を配祀せりと。口碑伝説に依れば、同社に奉斉せし海路神を、仝村船底の里に祭るとあり。是即ち当神社なり。
 爾来海外へ渡航の際は当社に参拝する者多し。

社頭
入口に立つ明神鳥居 鳥居に掛かる額
注連柱
境内の様子
拝殿前、明治29年生まれの狛犬
阿は垂耳・吽は立耳の筑後型狛犬で、深く窪んだ眼窩のまん丸目が特徴的です。力強い体型の筑後型とはやや異なり、滑らかな女性的な体型と体表をしています。石工さんの独創性が感じられる可愛い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治29年(1896)10月吉日建立)
拝殿
向拝下彫刻と目貫彫刻
木鼻・狛犬
一間社流造の本殿
本殿縁にいる明和2年生まれの神殿狛犬
とても古い狛犬ですが、阿の上顎は欠け、吽は前足・胴体に補修の跡が見られます。柵の外からしか見られないので細部は分かりませんが、知的な顔つきで上品な、とても良い狛犬と思われます。同年代の狛犬としては群を抜いた出来映えで、石工さんは抜群の技量の持ち主だったのではないでしょうか?
狛犬の拡大写真はこちらで
(明和2年(1765)建立)
境内社 境内社:若宮神社
樹齢約270年の御神木・大楠
藤棚
拝殿前から入口を振り返る