淀姫神社

武雄市朝日町中野川上(平成23年11月4日)

東経130度1分39.31秒、北緯33度13分15.27秒に鎮座。

この神社は498号線、川上バス停西に参道入口があります。
参道入口には「淀姫大明神」の額が掛かる一の鳥居が立ち、60m程ある参道脇には石碑や単体の典型的肥前狛犬が護る末社の石祠が祀ってあります。石の太鼓橋の神橋を渡ると境内で、すぐ目の前に二の鳥居が建立されています。境内左には御堂が配され、右には広々とした駐車スペースが確保されています。参道正面には唐破風付き入母屋造りの拝殿、玉垣内に流造の本殿が建立され、本殿縁にはかなり進化した肥前狛犬がいます。又、本殿後方にはご神木の大楠が、見事な枝振りを見せ聳え立っています。
拝殿内には彩色が綺麗に残った龍の彫刻や天井絵が描かれており、姫神に相応しく、明るく華やかな雰囲気が漂う神社でした。

御祭神:淀姫命、外六柱
祭礼日:例祭・7月29日、おくんち・10月23日
境内社:数社
由緒:創建年、不詳。
淀姫神社の祭神は、神功皇后の妹の淀姫命で、またの名を豊姫ともいい、朝日村の村社であった。
神社の創建のいわれは、神功皇后の朝鮮出兵の時、妹の淀姫が後をしたって武雄温泉に来られ、丸山の風景をながめ、長旅の疲れを慰められたという。
皇后の旅立たれた後、淀姫は22歳の若狭でここ川上の地で亡くなり、御霊を祀るため建てられたと伝えられている。
この神社には明神鳥居と呼ばれる鳥居が二つあり、一の鳥居は正徳6年(1716)建立、二の鳥居は大正6年(1917)に建てられている。

社頭
入口に立つ一の鳥居 鳥居に掛かる額
「淀姫大明神」
石碑
参道の様子
末社の石祠を護る肥前狛犬
単体の肥前狛犬
面長の長方形顔、窪んだ丸い目に大きな鼻、縦長の身体に前脚を形作る浅い繰り、肥前狛犬の典型を守っている狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内入口
境内の入口に架かる神橋
境内入口に立つ二の鳥居 「淀姫神社」額
境内の様子
拝殿
拝殿内の様子
拝殿天井絵
拝殿長押上に掲げられた武者等の絵馬
本殿
本殿縁にいる肥前狛犬
阿は前面が大きく欠け顔つきがよく分かりませんが、吽は厚みを持った扁平な四角顔、小さな耳が少し折れており、やや盛り上がった眉毛の下に穏やかな瞳が付いています。目の脇から縦と横に皺が作られた鼻はほどよく膨らみ、頬には髭か皺が数本、横に靡いています。前脚は長くやや開き気味、珍しく爪が表現されています。前面のお腹の下の繰りは下に行くに従って深く、身体の流れを形作っており、側面は浅い彫りながら、太腿や後ろ脚の形が綺麗に出ています。尾は細く一本で渦を巻いています。他の地域ではこの様な尾と耳の作りだと、「狼」ということになっていますが、肥前狛犬ではどういう分類になるのでしょうか?大分後期の作なのでしょうか?後の狛犬に通じる作りとなっており、阿が完品でないのが返す返すも残念です。
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社日と石祠
御堂
ご神木・大楠
此処は「佐賀のがばいばあちゃん」撮影地だったようです。今でも当時の家などが残されていました。