大崎八幡宮

武雄市北方町大崎(平成23年11月4日)

東経130度3分22.19秒、北緯33度13分8.15秒に鎮座。

 この神社は34号線・大崎信号から24号線で北に入り、川を渡り50mで左折。長崎街道を250m程進むと、右側に鎮座しています。参道入口には鳥居が立ち、参道を40m程進むと石段の脇に大型の肥前狛犬が待っていてくれます。その後二の鳥居を潜り左に曲がると石段が有り、境内へと上がっていきます。右手に見える石段は阿弥陀如来 武雄新四国 番外へと続いていますが、足下が危ないのでここから上がっていくのは控えた方が良さそうです。
 境内に上がるとすぐ目の前に御神馬や牛さんがいて、左には御堂が配されています。灯籠が立つ参道正面には大正10年生まれの筑後型狛犬が護る入母屋造りの拝殿、三間社流造の本殿が建立されています。拝殿内には天井絵が描かれ、小学生が書いたと見られる歌人の額が掛かっています。又、社殿左に末社等が纏められています。
 閑かな佇まいの素敵な雰囲気の神社で、丁寧な案内が印象に残っています。

 御祭神:神功皇后、応神天皇、天照皇大神、事代主神海津見神、彦火火出見尊、大山祇神、大国主尊
 祭礼日:元旦、春祭、夏祭、くんち、神待通夜、大晦の除夜参り
 境内社:北方天満宮、大権現、天満大自在天神、大権現、太神宮、天照皇太神宮、青面金剛
 由緒:むかし神功皇后が肥前の国を巡幸のみぎりこの地に立ちよられたという縁起により、四方に注連縄を張り石祠を建て皇居を祀ったと伝えられています。
 この境内は神域にふさわしい丘の上で、神社のうしろは小高く森となっております。近年そこに古墳墓があることが分かりました。古墳は円墳で弥生か古墳時代に築かれたと想定されています。
 この地に建久5年(1195)、多久荘の地頭となった鎌倉の御家人多久太郎宗直が、皇后の皇子応神天皇を合祀し、鎮守の神として祀り、以来大崎八幡宮となったようです。その前年多久東の原に鶴が丘若宮八幡を勧請しています。
 それより42年のち嘉禎3年(1237)、鎌倉の御家人橘薩摩守公業が本貫地伊予の国宇和荘より転封となり、長嶋荘惣地頭として赴任し武雄の潮見に館を構えて土着し、翌暦仁元年、息子公員に上村を譲り、父公業は下村に居り、没後は御家が譲り受け、のち橘一族はそれぞれ分家して、渋江・牛島・中村・中橋家を名乗り庄地を分け、上村は公員が知行する所となり、その子公綱・その子公資の時初めて、大崎氏を名乗ったようであります。この大崎氏の300年に及ぶ領内経営の根拠地が北方の大崎八幡宮を中心とする館があったと考えられ、この一帯を字館と呼びます。
 永禄5年(1562)、橘氏の一族渋江右衛門が龍造寺長信のために志久村十三塚に破れ、これより以後橘氏の勢力は郷土から後退しました。
 室町時代永禄6年(1563)、長嶋の荘は龍造寺氏の領地となり、天正元年(1573)龍造寺隆信は弟長信と力を合わせ塚崎領主後藤貴明と戦い、続いて須古の平井経治と戦い、ここ大崎八幡宮に砦を構え根拠地とし勝利を得た。これは八幡神の御加護によるものと、篤く感謝の意を込めて社殿を改築したといわれ、その後社殿の修築は数度に及んでいます。
 明治12年8月村社に昇格、祭神天照皇大神・事代主神海津見神・彦火火出見尊・大山祇神・大国主尊の御神体を追加合祀し、明治38年、神社仏閣合併の勅令によって無格社の祭殿等を整理統合して馬神北方久津具地区に鎮座してあった神々を大崎八幡宮に遷座することになった。
 大正9年6月拝殿を改築し、大崎三区の氏神として祀ることになりました。
 例祭は元旦・春祭・夏祭・くんち・神待通夜・大晦の除夜参りがあります。今では子供たちの浮流太鼓が奉納されています。
境内由緒書き より。

社頭
参道入口に立つ一の肥前鳥居 鳥居に掛かる額「八幡宮」
参道の様子
石段参道
石段参道脇にいる肥前狛犬
かなり大型で、縦置きです。右の狛犬は歯を剥き出してはいますが口蓋の端が少し上がり、横から見ると微笑んでいるようにも見えます。左は口蓋が薄く線のように一文字に彫られ、やはり口の端だけに穴が開き、牙がチラッと見えます。顎の下に蝶ネクタイのように作られた顎髭や、肥前としては装飾的な尾の形などから、後期の作品と思われます。
狛犬の拡大写真はこちらで
二の肥前鳥居 鳥居に掛かる額「八幡宮」
境内へと続く石段参道
境内入口
御神馬像 天満宮の神使い・牛さん
境内の様子
参道の様子
拝殿前、大正10年生まれの狛犬
筑後型で、阿吽の耳の作りを変えてあります。やや顔を上げ胸を張った様な逞しい胸板や、上腕の太さなどから威厳と力強さを感じます。鬣や尾の毛筋の流れがスムーズで綺麗です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(大正10年(1921)1月建立)
拝殿
拝殿内の飾れている36歌仙図
拝殿内の天井絵
本殿
御堂
境内社:北方天満宮
大権現 石祠
石仏、大権現 天満大自在天神
石祠 太神宮
天照皇太神宮 青面金剛、六地蔵
阿弥陀如来 武雄新四国 番外
ご神木・大楠