海童神社

佐賀市川副町犬井道624(平成23年8月4日)

東経130度19分17.1秒、北緯33度10分53.6秒に鎮座。

 この神社は30号線と早津江川の中間辺りに鎮座しています。
 神社の周囲には壕が巡らされ、神橋を渡って社地に入ります。入ってすぐの参道脇左右には体中に青と白の彩色が施された恵比須像と大黒天像があり、ちょっと度肝を抜かれました。
 境内には推定樹齢450年のご神木・大クスが聳え、又、拝殿に至る参道には御神馬や3対の狛犬、境内左右に祀られる境内社にもそれぞれ狛犬が居り、この社には合計5対の特長ある狛犬が奉納されています。
 拝殿内には天井から船がつるされ、又、武者絵などの天井画が描かれています。本殿は流造、拝殿右には神饌所も建立されていました。
 とても綺麗に整備清掃されている神社ですが、今でも深い崇敬を受けている神社のようで、私達が参拝している間にも数組の参拝者が居られました。

 御祭神:上津綿津見神、中津綿津見神、底津綿津見神、相殿神:天照皇大神、菅原道真公
 祭礼日:10月中旬(天衝舞浮立)
 境内社:弁財天社、池の森稲荷神社、八幡社、寄せ宮社
 由緒:海童神社は天文20年(1551)龍造寺隆信公、筑後三潴郡一木村に蟄居され仝、22年7月に至り佐賀城を奪還せんとして海辺に行かれ渡舟を求められました処、会々遙の沖に一漁舟がいるのを発見され、之を差し招きになりました処、岸に近づいて来ました。
 その漁夫は園田二郎兵衛と犬井道新兵衛の二人で、喜んで乗舟させ水先案内を務め、海上無事に鹿ノ江崎に上陸させ土民と語って篤く労し護衛し、此の土地の状況を詳かに言上しました処、隆信公之を聞き潮水侵入の害をお察しになり就職後、代官成富甲斐守大蔵信種に命じられ防堤を増築し海水の侵入を防ぎ鎮護の神として主神三柱を斉き奉り海童神社と仰ぎ、航海漁業、交通だけでなく農業、商工業、諸産業の守護神として尊敬されております。

社頭
神社入り口
入口二立つ台輪鳥居 鳥居に掛かる額
社地の周囲に巡らされた壕と神橋
参道脇の恵比須像 参道脇の大黒天像
境内の様子
拝殿前、昭和56年生まれのブロンズ狛犬
吽には宝珠が付き、筋肉質で威厳が感じられる狛犬です。
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(昭和56年(1981)10月吉日建立)
拝殿前、南西搦高潮被害復旧工事竣工記念で建立された狛犬
『「搦」とは有明海沿岸、とくに佐賀県域に多い干拓地の地名(日本大百科全書)』とのことですから、大正時代に起こった高潮被害の復旧を祝して建立された狛犬のようです。浪速系の狛犬で、阿には口中に玉があり、吽のお腹の下には親に護られて安心してか、怠惰に寝そべった子狛がいます。
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(石工・池田安太郎 大正8・9年(1919・1920)建立)
拝殿前の玉乗り狛犬
拝殿
拝殿内の様子
拝殿天井絵
拝殿内に掛かる船
本殿
神饌殿
境内社:弁財天社・池の森稲荷神社
弁財天社・池の森稲荷神社を護る建立年代不明の狛犬
縦ロールの顎髭を持つ変わった狛犬ですが、破損や剥落が進み補修の跡が見られます。
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境内社:八幡社
八幡社を護る建立年代不明の狛犬
大型のワンコのような、どっしりと落ち着いた狛犬です。
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寄せ宮社
正体不明のモニュメント 園田二郎兵衛祈念碑
石碑 忠魂碑
綿津見神御池碑 水神
推定樹齢450年のご神木・大クス
推定樹齢450年のご神木・大クス