松陰(まつかげ)神社

鹿島市高津原460(平成23年8月7日)

東経130度5分42.54秒、北緯33度5分58.32秒に鎮座。

 この神社は旧鹿島城跡、現旭ヶ岡公園に隣接して鎮座しています。緑は残されていますが、とても綺麗に整備された旭ヶ岡公園入口に一の鳥居が建立され、参道は南南西に約180m程続き、途中参道北に境内社・楠公社が祀られています。
 右手の石垣の上に神社の入口があり、二の鳥居を潜り境内に入ると、明治生まれの狛犬がいます。三の鳥居の後ろの石段を上がると入母屋造りの横に大きな拝殿、流造の本殿が建立され、更に奥に境内社の稲荷社が祀られています。
 地図でこの社を見つけた時には「吉田松陰」関係の神社かと思いましたが、読み方も御祭神も異なり、何の関係もありませんでした。
 佐賀藩は小藩で藩主と言えば幕末の鍋島直正公(閑叟)位しか歴史に登場することはなく、他の藩主のことは全く知りませんでしたが、ここ、鹿島の地に館を構えていた支藩の鹿島鍋島家は禄も少なく、大変なご苦労を余儀なくさせられていたようです。その中で武士団や領民のことを考える良き藩主・英君が多かったようで、だからこそ今日まで、この様にきちんと御祀りされているのでしょう。

 御祭神:鹿島藩初代藩主・鍋島忠茂公
 祭礼日:元旦祭・1月1日、稲荷社祭・3月2の午の日、春祭・4月4日、楠社祭・5月25日、例祭・9月21日、祖霊社祭・9月21日、秋祭・12月2日、其他国民祝祭日
 境内社:稲荷社、楠公社、祖霊社
 由緒:寛永10年(1633)9月21日の創建で、旧佐賀藩藩祖鍋島直茂公の二子旧鹿島藩初代藩主鍋島忠茂公の徳を慕い祀りて、松陰神社と称す。以来歴代藩主の神霊を合祀さる。

旭ヶ岡公園入口に立つ一の台輪鳥居
生け垣の間を一直線に続く参道
参道北に祀られる境内社:楠公社
旭ヶ岡公園南にある表参道入口
境内入口に立つ二の台輪鳥居
境内の様子
境内にいる明治12年生まれの岩狛さん
岩にびっしりと牡丹の花と葉の彫刻が施され、狛犬はほとんど立ち上がった様な姿勢でその岩に前足をかけています。その牡丹の花は彫りが深く、顔つきは厳めしく、鬣、尾の毛筋が綺麗に流れた、石工さんの力量が分かる作品だと思われます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・永石冨一 明治12年(1879)10月建立)
拝殿前に立つ三の台輪鳥居
入母屋造りの、横に大きな拝殿
拝殿内の様子
流造の本殿
境内社:稲荷社
お稲荷様の神使い・お狐様
(大正14年(1925)11月建立)
境内入口石垣上から見た鹿島城のお濠