仁比山(にいやま)神社

神埼市神崎町的1692(平成23年8月6日)

東経130度22分1.71秒、北緯33度21分17.88秒に鎮座。

 この神社は神埼市街地の北方、紅葉で有名な仁比山に鎮座しています。
 一の鳥居と社号標、仁王門が建つ参道入口は、21号線沿いにあり、神社はそこから350m程北にあります。私達は駐車場から九年庵を経るコースで参拝しましたが、本来は駐車場から東に向かう参道が表参道かも知れません。
 九年庵コースは頭上に紅葉の大木が覆い被さり、紅葉の季節はまさに緋のトンネルの中を歩くが如くになるのでしょう。又是非来てみたいですね。その参道を歩いていくと可愛い沢ガニが沢山歩いています。横を見ると、木々の間に神池が見え、カニはここから参道を横切って石段の隙間に潜り込んでいます。その先には推定樹齢・800年以上、市指定天然記念物のご神木・大楠が森の王者の貫禄を見せ雄大な姿で聳えています。
 境内入口には「日吉宮」の額を掲げる三の鳥居が立ち、その右には推定樹齢600年以上のご神木・大楠も聳えています。下の境内は明るく広々としており、左に上の境内へと上がる石段参道が付けられています。石段途中には日吉神社の神使い・猿が乗っている灯籠が奉納され、上の境内入口にはる天保7年生まれの岩狛さんが、やんちゃそうな顔で迎えてくれます。
 境内正面には唐破風付きの大きな入母屋造りの拝殿・弊殿・本殿が建立され、その裏側の岩場からは御神水・金剛水が湧出しています。「山王さんの御神水」とも呼ばれ、胃腸の弱い人は仁比山神社の神符と一緒に拝飲すれば回復に向かい、 又、初宮詣の子供の口につけ長寿・無病息災を祈願する、ありがたい御神水の様です。ここには祈願成就のお礼にと沢山の猿像が置かれていました。又、境内のあちこちに神猿像が置かれ、この社の元となった松尾宮も祀られています。
 次に「井戸の中を見て自分の躰が綺麗に写れば壮健で、その反対のときは健康に注意せよ。」という水鏡の井戸はもちろん覗きましたが、「落ち葉が積もって水面は全然見えず。」これは「健康(メタボ?)に注意せよ」と言うことなんでしょうかね〜。
 鎮守の杜の佇まいや社殿、御神水、ご神木など、由緒正しき古社の風格が存分に備わった、素晴らしい神社でした。
 

 御祭神:大山咋命、鴨玉依姫神、日本武尊、合祀社祭神二十余神
 祭礼日:例祭・4月26日、新嘗祭・11月28日、七五三祭・11月15日、大祓・6月30日 12月31日、月次祭・毎1日 15日(早朝)、縁日・毎申日
 式年大祭(大御田祭)・毎申年4月初申より中申までの13日間
 境内社:松尾宮
 由緒:天平元年(聖武天皇 729)この地に殿宇を建て都の松尾大社の御分霊を祀り国家安泰 五穀豊穣の祈願所として松尾明神を祀るを創祀とする。
 その後承和11年(844)慈覚大師唐より帰朝の際 国家安泰の起源の為神水を得る時 土中より日吉宮の額を発見したことを朝廷に奏上す。時の仁明天皇 比叡の神威を感じ勅命を以って江州坂本日吉宮の御分神を合祀し朝廷の祈願所とする。この地を仁明天皇の仁と比叡山の比山とで仁比山という。

 旧県社。御創建天平元年(729)聖武天皇の勅願をたまわり殿宇を建立し 松尾明神を勧請し豊饒無窮 国家安泰 の御祈願の宣を競られ樽を創祀とする。
 承和11年(844)仁明天皇の勅命を以って江州坂本の日吉宮の御分神を合祀し朝廷の祈願所となす。
 当社殿は度々の政変にて焼失するも 当藩祖鍋島直茂公 勝茂公により再建され 明治3年には修理田の日吉宮又村内の無格社と格式高い白角折社を合祀し仁比山神社となる。…後略…。



21号線沿いの参道入口
社号標 参道入口に立つ一の肥前鳥居

仁王門

仁王門内の仁王像
仁王像拡大写真はこちらで
九年庵前の西参道の様子
二の明神鳥居 鳥居に掛かる額
石段参道の様子
モミジのトンネルの中、参道は続きます。
参道右側の神池
神池の畔に祀られる末社 沢ガニも沢山見かけました。
ここから参道は東に向かいます。
市指定天然記念物のご神木・大楠
推定樹齢・800年以上・樹高・約 34.5m、根回り・7.2m
境内へと上がる石段
境内入口に立つ三の台輪鳥居 鳥居に掛かる額「日吉宮」
境内に聳える推定樹齢600年以上のご神木・大楠
下の境内の様子
上の境内への石段参道
石段参道左右に奉納されている日吉神社の神使い・猿が乗っている灯籠
上の境内入口にいる天保7年生まれの狛犬
とても立派な岩狛さんで、岩に手を掛けると言うよりも、若い狛犬が勢い余って飛び出しそうな勢いも感じられます。彫りも深く、岩の牡丹の扱いなどに石工さんの丁寧でまじめな人柄が感じられます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(天保7年(1836)丙申建立)
拝殿
拝殿内の様子
弊殿・本殿

本殿裏の岩場から湧き出す御神水・金剛水全景
御神水・金剛水湧出口
「山王さんの御神水」とも呼ばれています。 胃腸の弱い人は仁比山神社の神符と一緒に拝飲すれば回復に向かい、 又、初宮詣の子供の口につけ、長寿・無病息災を祈願します。
金剛水湧出口周囲の岩場には、祈願が成就した方からのお礼の猿像が数限りなく置かれています。

松尾宮
水鏡
三猿像
松森稲荷神社
東参道の石段
東参道入口