八幡宮

佐渡市八幡(平成19年4月29日)

 この神社は八幡地区の南外れ、国道350号線脇に鎮座しています。国道からは未だ若木の松林越に見えています。結構広い社地の後方に鎮守の杜があり、明るい境内の参道脇は綺麗な花壇が執られてあります。その一直線に伸びた参道の奥に大きな拝殿が建ち、本殿は覆われています。ここはとても出来の良い佐渡狛犬が奉納されていました。

 御祭神:誉田別命
 例祭日:9月15日
 由緒:旧郷社で、康治元年(1142)に石清水八幡宮から勧請したといわれています。昔は石清水八幡の神領で「佐渡国野原別宮」とあるのがこの社であるとみられているので、その関係からの勧請でしょう。佐渡には他にも気比神社・日吉神社(山王)などの神領がありましたが、石清水八幡宮の神領がもっとも早かったようです。佐渡に配流された順徳天皇はこの社の傍に皇居があり、世阿弥なども良くこの社を訪れていた様で、又、永仁6年(1298)に配流された鎌倉後期の歌人・京極為兼は、配所がこの社の小堂で、5年後に許されて帰京するまで京都召還への祈誓をこめて、この地で歌を詠んでいたといいます。

社号標「郷社 八幡宮」 神社入口
明治11年(1878)生まれの佐渡狛犬。
佐渡狛犬といっても余りデフォルメ化が進んでおらず、阿はお猿顔、吽は小首の傾げ方が得も言われず可愛い狛犬です。正面から見ても顎髭や鬣の渦のせいで、余り堅いヘルメットを被っているように見えず、横顔は少々奥眼で江戸狛犬にも共通した彫りの深い端正な狛犬で、身体の線も滑らかで良くできています。羽吉・羽黒神社の狛犬と共に佐渡狛犬を代表する良い狛犬なのではないでしょうか?
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治11年(1878)8月15日建立)
境内の様子
大きな拝殿
拝殿内の様子
本殿覆い屋 境内社