久知八幡宮

佐渡市下久知780(平成19年4月30日)

 この神社は両津から45号線で東に向かい久知川の手前で川沿いの道を遡ると、約800mで右手に鎮座しています。旧郷社で、趣のある白木の両部鳥居を潜ると境内は左右にかなり広く、この社は市無形民族文化財指定の古式ゆかしい流鏑馬等の祭礼神事を執り行うことで有名なので、その為にこの境内の広さが必要なのかしら?と思いました。正面の向拝の無い大きな拝殿は荘厳で、コンクリート造りとなってしまった本殿が残念です。入口にいた建立年代不明の佐渡狛犬も絶品でした。

 御祭神:比淘蜷_、誉田別命、息長帯比売命、相殿神:伊弉諾尊、伊弉冉尊、菊理比売尊、須佐之男尊
 例祭日:9月9日・宮籠り、13日・御神酒上がり、14日・夜祭り、15日・本祭
 由緒:応和元年(961)山城国男山八幡宮より分霊勧請し、久知郷国見峠に遷座しました。往古より久知郷の総鎮守として崇敬を受け、宝徳2年(1450)下久知荒城の地に奉遷されたと伝えられています。歴代の地頭、佐渡奉行からも崇敬を受けていました。明治7年、郷社に列せられました。

 久知八幡宮祭礼神事は本殿では神前行事、境内では御輿渡御・流鏑馬等の神事が行われる。城腰地区からは花笠踊(県指定無形民俗文化財)、野崎地区から刀刀、下久知地区から鬼太鼓が奉納される。このように郷内各地から奉納していた祭りは、中世の祭礼神事の名残を留めていて、歴史的に見ても貴重なものである。「花笠踊」は天文年間(1500年代)より伝承される民族芸能で、久知6代の地頭「本間下総介時泰」の命により京畿で舞修行を積んだ「城ノ腰」の住人「武左エ門」が完成させたといわれている。
 毎年9月15日に行われる「久知八幡宮」の祭礼には、花笠をかむり早乙女姿の衣装をまとった地元の子どもたちが、太鼓、笛の音に気合いのかけ声をまじえ調子をとりながら城ノ腰から八幡宮まで行進した後、境内にて「花笠踊」を奉納する。
 踊りは社殿にしつらえた埒(らち)の内で演じられる奏楽や地謡にあわせて、その周囲をまわる輪踊りで、農事を祝う意味を持つ。この稚児踊りの他に「小獅子舞」、「鬼太鼓」、「法問答」など演目がつくのも珍しく、佐渡の民族芸能の一典型を示している。(境内案内板より)

神社入口 社号標「郷社 八幡宮」
建立年代不明の佐渡狛犬ですが、石工名が名字付きですので、明治以降の作と思われます。佐渡狛犬の特徴である顎髭が一段と鋭角で厚くなっています。にこやかでほのぼのとした顔つきで、滑らかな体つきの出来の良い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石大工・大倉国造)
向拝の無い大きな拝殿
拝殿内の様子
社額「正八幡宮」
本殿 境内の様子
金比羅山大権現碑 秋葉山大権現碑
拝殿前から境内を振り返る