樹崎神社

佐渡市秋津(平成19年4月30日)

 この神社は空港滑走路の先から郷土博物館前を通り、森の中に続く坂道を下ると、加茂湖に突き出た半島の先に行き着き、その先端にある小さな浮島に鎮座しています。
 行き着くまでは、私の地図にも、カーナビにも道路表示が無く、「もし間違っていたら引き返せばいいわ。」という不安な気持ちでいっぱいでしたが、森をでて広々とした駐車場に着くと、気分は一転。目の前には景色の良い佐渡の神社の中でも、ピカ一の素晴らしい景観が広がっていました。
 入口は八重と一重の桜の花の競演で訪れるものをお出迎えしてくれ、半島の先端は青々とした芝生が植えられ、公園のように整備され、想像を超える大きさの加茂湖の水はあくまでも澄み切って、穏やかなさざ波がたっています。ひたすら静かで、聞こえるのはその波の音だけ…普段都会の喧噪の中にいるので、この余りの静けさにボ〜ッとしてしまい、今、自分が居る場所と時間を忘れてしまいそうでした。
 その最先端に境内があり、佐渡狛犬が護る変わった造りの社殿が建っています。社殿の裏側に回ると、すぐ傍の対岸は湖畔まで樹林がのび山奥の湖畔を思わせる雰囲気ですが、向こうには椎崎の温泉地や両津の街並み、その西奥には金北山でしょうか、遙か彼方に山容が見えました。土地勘のないものには行きづらいところですが、佐渡では一番のお薦めスポットです。

 御祭神:弁財天
 例祭日:4月18日
 由緒:秋津地区の産土神で、応永年間(1394〜1427)の創建です。「樹崎の弁天さん」として祀られていましたが、明治8年に洲崎神社となり、大正4年から現社名に改称されました。4月15日には熱田神社と合同で鬼太鼓を実施しています。

 神社全景

神社遠景 入口を振り返る
境内入口 社号標「村社 樹崎神社」
建立年代不明の佐渡狛犬
ふくよかな体つきで、阿は口中に玉を含み、吽は小首を傾げて「?」。可愛い仕草です。鬣は後頭部で三段の渦巻きを造り、その後、尾の先まで伸びています。後ろ足は蛙を思い起こさせ、前脚の先がボールのように丸いのが面白いですね。
狛犬の拡大写真はこちらで
変わった造りの社殿
社殿側面から

社殿の木鼻・狛犬
丁寧には造られているのですが、狛犬と言うよりは髭を生やしたおじさん…という感じの木鼻です。
加茂湖と対岸の様子