小比叡(こびえ)神社

佐渡市小比叡182(平成19年4月29日)

 この神社は国道350号線・小比叡地区から800m程山側に入った蓮華峰寺内に鎮座しています。駐車場から入口に向かうと、先ず目に付くのが「子授け大ケヤキ」です。この大ケヤキに触れると子授けの御利益があるといわれており、この日私達が訪れた時にも若いカップルが願を懸けていたようです。山門を潜ると珍しい下りの階段が続き、左右には蓮華峰寺の金堂、大師堂、八祖堂、客殿、地蔵堂、経堂、骨堂、蜜厳院などの伽藍が配置されています。小比叡神社は金堂脇を通ると、その奥に鎮座していますが、国重要文化財指定・中山鳥居、県指定建造物の拝殿、覆い屋内にある国重要文化財指定・本殿などが周囲の穏やかな山容とマッチして、鄙びた良い雰囲気の中に建てられていました。

 御祭神:大己貴命、菅原道真公、白山毘当ス
 例祭日:2月6日(田遊び神事)
 由緒:小比叡神社は大同年間(806〜810)創立とも言われており、蓮華峰寺の鎮守神でしたが、明治7年神佛分離の際、蓮華峰寺と分離し小比叡神社となりました。国重要文化財指定の本殿は三間社流造こけら葺きで、室町時代の建築様式と見られ、近年では昭和54年に全面的解体復元修理がありました。国重要文化財指定の石鳥居は慶長13年の建立で、初代佐渡奉行大久保石見守長安と弟の大久保山城守安政が奉納したものです。別当寺であった蓮華峰寺は、佐渡が皇城の鬼門にあたるとして、弘法大師が開基したといわれる古刹です。嵯峨天皇の勅願寺であったともいわれ、金剛峯寺、室生寺とともに真言の霊地となっています。

蓮華峰寺・小比叡神社入口と
子授け大ケヤキ
珍しい下りの階段
神社入口 社号標「村社 小比叡神社」
国重要文化財指定・中山鳥居
初代佐渡奉行大久保石見守長安と弟の大久保山城守安政が慶長13年(1608)に)奉納した石鳥居で、この形式の鳥居としては日本海側最北と言われているそうです。
県指定建造物の拝殿。
茅葺き屋根で如何にも鄙びた感じが、周囲の穏やかな山容とマッチして、歴史の歩み・重みを思い起こさせます。以前は、村の人々が集会所として利用していた建物で、手前の境内では、島内でも珍らしい組み立て式の能舞台で能も舞われていたそうです。
拝殿に掲げられた社額、左から「天満大神宮 山王大権現 白山大権現」 国重要文化財指定・本殿
三間社流造こけら葺で、ずっと覆屋の中にあったので、室町時代の建築様式がよく残っているそうです。
本殿前にいる年代不明の笏谷狛犬
笏谷狛犬は比較的古い時代に造られたものが多く、この狛犬も相当古い物と思われますが、ずっと屋内に置かれていたので、驚くほど保存状態は良好です。
境内に咲く八重桜