八幡宮

佐渡市金井新保(平成19年4月28日)

 この神社は新保地区の国道350号線に面して鎮座しています。参道が200m程もある大きな社域で、「清々しい神域」の形容がピッタリの、綺麗に整備された神社でした。朱の両部鳥居を潜ると凛とした空気が張りつめ、正面には大きくとても立派な拝殿が厳かに建っています。その拝殿内には「日吉神社、諏訪神社、八幡宮、第八区八幡宮」の四社の社額が架かっていたので、多分明治期に近隣の三社が合祀されたのでしょう。
 この社は、天台宗・雲上寺の住僧集が金北山で感得し、文永年中(1264〜74)に八幡宮を勧請したのが創祀の様です。その後別当寺である雲上寺は上杉景勝の佐渡攻めによって真言宗に改宗、その後八幡山阿弥陀院長福寺、大慶寺と二回の改号が行われました。明治期の神仏分離政策により、大慶寺と八幡社に別れ、新保地区の産土神となり、八幡宮と改称されました。御神体は河内誉田八幡社地の砂といわれ、砂を入れた箱には寛永2年社僧快照の名が記されていると伝えられています。
 この社の4月15日に執り行われる例祭は、「700年の歴史をもつ、古式ゆかしい春の祭り」として紹介されており、「八幡宮の境内にて朝から市が立ち、鬼太鼓、射手、下り羽、みこし等の伝統行事が行われており大変にぎやかです。八幡宮に隣接した「太慶寺」では門前市や郷土芸能鑑賞会が行われ13時30分からは文弥人形などが鑑賞できます。八幡宮正面では15時から地区内の鬼太鼓4組が一斉に打ち出すのを見ることができ、その後射手行列(さがりは、やぶさめ等)の神事が行われます。(うるおいの新潟より)」とありました。
 この様な古式ゆかしい祭りの形態が完全に残っているのはこの社だけだそうですので、ぜひともずっと継承して頂きたいものです。

神社入口の社号標
「郷社 八幡宮」
境内入口
境内入口にいる明治17年生まれの佐渡狛犬。
頭上が扁平で、三角に分かれた顎髭に随分厚味があります。鬣が長く、殆ど尾とくっついています。窪んだ目や口髭、顎髭の感じから、ギリシャ神話の海神・ポセイドンを思い出しました。
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(明治17年(1884)9月建立)
参道途中にいる建立年代不明の狛犬。
台座が低いので入口の佐渡狛犬より前の奉納ではないでしょうか?上向きの潰れ顔、阿は舌を出し、吽には髷のような角が付いています。阿吽で目の感じが大分違いますね。厚味のある鬣は首の所で緩いカーブをして後は三角に流しています。小さめの尾はワラビのように分かれ背に張り付いています。
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とても立派な拝殿
拝殿内の様子
屋根だけ見える本殿 境内社
境内の様子