三宮(さんぐう)神社

佐渡市三宮(平成19年4月29日)

 この神社は195号線の、三宮地区にある順徳上皇皇子墓から北に入り、右折すると左側に鎮座しています。玉垣で道路と区別する事もなく、道路を走っていると渋い両部鳥居が建ち、芝生が植えられた明るい境内が全て見渡せます。その両部鳥居の両脇には、思わず笑ってしまうほどユニークな狛犬がおり、二人して暫し笑い転げてしまいました。薄幸の皇子を祀る神社に、どうしてこんなに楽しい狛犬が奉納されたのでしょう? 鳥居を潜り境内にはいると、参道の正面には大きく立派な拝殿が建っています。境内の両サイドは杜があり、桜が綺麗に咲く中に境内社や庚申塔、秋葉山大権現等が祀られていました。

 御祭神:親王大明神
 由緒:江戸時代まではこの社の別当は長徳寺(開基長徳元年(995))で、親王大明神の勧請は慶長8年(1603)という書付がありますが、廃仏毀釈により長徳寺は明治初年に廃寺となり、親王大明神は独立した神社となりました。現社号には、近年親王明神と深山神社・ 荒屋の太社(たえしろ)が合祀したのに伴い改称されました。親王とは順徳上皇の第三皇子・千歳宮を指し、承久3年(1221)の「承久の乱」で、佐渡ヶ島に遷幸された順徳天皇の皇子・千歳宮は、建長6年(1254)に18歳で薨じられました。宮は第三皇子ということで、「親王大明神」から転じて「三宮大明神」と称するようにもなりました。佐渡に数社ある三宮神社は橘光行によりこの社から分霊勧請されたものです。

社号標「郷社 三宮神社」 神社入口
明治13年生まれの超デブリン狛犬。
阿には小さな角があり、吽は見返りです。ひと頃流行った口裂け女のように口蓋が大きく耳にまで届き、体格は今回佐渡でみてきた狛犬の中では、一・二番目に太っているのではないでしょうか?前脚の先はボールのようにまん丸で、後ろ足は蛙が座っているように見えます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治13年(1880)建立)
大きな拝殿
拝殿内の様子

本殿覆い屋 庚申塔、秋葉山大権現
境内社 境内社
境内に咲いていた八重桜とマメザクラ?