菅原神社

佐渡市羽茂本郷2081-1(平成19年4月29日)

 この神社は羽茂川右岸の須川地区に鎮座しています。入口の前には羽茂川の清流が流れ、朱の両部鳥居を潜ると、参道は木々に埋もれるような中で階段登りとなっています。境内には向拝の無い大きな拝殿が建ち、その背後の一段上がった杜の中に本殿覆い屋が杜に溶け込んだような姿を見せています。その拝殿縁には全身朱に塗られたふくよかな顔の木造狛犬がおり、社殿内にも木造神殿狛犬がいました。

 御祭神:菅原道真公
 例祭日:1月1日・元旦祭、2月15日・春祭、6月15日・例大祭(大神楽・つぶろさし)、10月25日・秋祭、8月19日・三峯社(夜祭)
 境内社:神明社、三峯社
 由緒:創建は不明ですが、応永33年(1426)の地頭の境内地寄進状があり、それ以前の創祀と思われます。学問の神様として近郷の信仰が厚く、社宝として、鎌倉期とされる円面懸仏、扇面縣仏、全銅十一面観音座像があります。
 6月15日羽茂祭りの一環として行われる県重要無形文化財の「つぶろさし」は、五穀豊穣を願い神社に奉納される神楽の一種で、現在佐渡では4社が継承していますが、この地区では菅原神社、草刈神社の二社で舞われます。この社のメンバー構成は、つぶろさし(醜男の仮面をかぶり、男根の張り形を腰に携えた絶倫男性)、ササラスリ(美しい女性を表す役。両手に「ササラ」という竹の棒を持ち、それをこすりあわせて踊る)、銭太鼓(顔をヴェールで覆い、手にタンバリンのような鳴り物を持った女役。不美人ですが肉体美でつぶろさしを誘惑する役まわり)、獅子、囃し方(5人ほど)で、先ず社前で奉納された後、町に繰り出していくようです。伝来は、羽茂地頭の本間氏が、茶道修業のため京都に遣わした葛西三四郎により持ち帰られ、城中の荒神社に「一粒万倍」を祈願して奉納したのが始まりだと伝えられています。この社の獅子頭には「八王子宮牛頭天王 御祭獅子頭 寺田組 寛政七年乙卯六月 世話人関口庄次郎 大工藤井久兵衛 塗師堀尾伊兵衛」とあり、古くは草苅神社の例祭に奉納されたものだそうです。(佐渡地域振興局HPより)

神社入口
大きな向拝の無い拝殿
拝殿内の様子

拝殿縁にいた木造狛犬
全身朱に塗られ、ふくよかな顔と体つきをした、いたずらっ子の邪鬼を思わせる狛犬です。阿には角、吽には宝珠が付けられています。
社殿内にいた木造神殿狛犬
此方も阿には角、吽には宝珠が付けられていますが、実際の動物に近い風貌をしています。
背後の杜に溶け込んだような本殿覆い屋 境内社・神明社
境内社・三峯社