熊野神社

佐渡市戸地(平成19年4月29日)

 この神社は相川から45号線で北上し、戸地地区で旧道にはいると、村落中央辺りの右手の苔むした石垣上に鎮座しています。階段を上がり朱の鳥居を潜ると境内ですが、極小さな社地です。けれど境内から見る佐渡海府海岸の壮大な景観は一見の価値有りです。

 御祭神:伊弉冊命、伊弉諾命
 例祭日:10月19日(伝統芸能・「神道土俗白刃」)
 由緒:旧名十二権現と云いますが、戸地には近世初期の有力な重立衆を意味する六軒竈という家柄があり、それぞれ地神を祀っていました。平兵衛・五兵衛が平兵衛宮(伊弉冊命・十二社大権現・北野宮ともいい、文禄二年四月創立)、弥右衛門・甚兵衛が四郎左衛門宮(伊弉諾命・十二社大明神、元和八年三月創立)、源兵衛宮(若宮、勧請年月不詳)、そして武右衛門が不動堂を祀っていました。後にこれを二社に合祀し、同じく十二権現と称しましたが、明治6年(1873)両社とも熊野神社と改称し、大正9年に両宮を一社に合祀して現地に遷座し、今日に至りました。往古十二権現は、天神七代・地神五代を祭祀していましたが、これを伊弉冊命、伊弉諾命二柱の御神(大山祇命の親神)と改め祀ったのは、戸中の大山祇神社を意識した、優越感情の現われともいわれているそうです。(佐渡ヶ島がっちゃへご「ガシマ」より)
 熊野神社の伝統芸能・白刃の演舞は他に類がなく、その昔、戸地の千仏堂に住んでいた大光坊という住職が書画・彫刻・武術に優れ、その武術を村人に伝授したものとして伝わり、毎年祭りの際に厄払いや豊かな実りを祈願して各家に披露されています。

神社遠景 社号標
階段の参道 末社
大正14年(1925)生まれ、縦置きの佐渡デブリン狛犬。
「貴方、そんなに愛嬌を振りまいていて、本当に神社をお守りできるの?」と、此方が心配になってしまうほどおおらかで微笑ましい、安らぎを与えてくれる狛犬です。
お悩みのある方はどうぞここに来て、この狛犬さんと語り合って下さい…きっとこの狛犬さんが貴方の悩みを笑い飛ばして、晴れ晴れとした気持ちにさせてくれますよ(経験者は語る…の段)。
狛犬の拡大写真はこちらで
(下相川石工・山本米蔵 大正14年(1925)7月建立)
拝殿
拝殿内の様子
拝殿内に架かる社額
「北野神社、熊野神社、若宮八幡神社」
本殿
境内に咲く桜 境内の様子
境内から見える佐渡の海