金刀比羅神社

佐渡市相川五郎左衛門町(平成19年4月30日)

 この神社は45号線の相川3丁目と相川4丁目の境界にある信号を入ると突き当たりに鎮座しています。道路からみると、鳥居がなければ「本当に神社?」と疑いたくなるような造りの大きな社殿が、ド〜ンと目に入ります。そして入口・参道・社殿内に、それぞれ個性的な狛犬が3対も居て、とても嬉しくなりました。

 御祭神:大物主神
 由緒:永禄3年(1560)、讃岐の金毘羅社から同社別当の金剛寺の隠士・慶順が、諸国巡行の際に来島して、海上安全と金山繁栄を祈願するべく吉井村桧山に勧請したのを、弟子の宥順が寛永17年(1640)に、現社殿の上の台地に遷して建立しました。その後、延宝3年(1675)に五郎左衛門が願主となって、現在地に社殿を造営し、遷座しました。現在の社殿は、沢根の五十里篭町の宮番匠・明石近陽(本名近蔵、潟上生まれ)が、慶応2年(1866)に最初の仕事として建てたものです。(佐渡ヶ島がっちゃへご「ガシマ」より)

社号標 神社入口
建立年代不明の構え獅子
この狛犬は神社入口の高い位置に、縦置きで置かれています。台座には牡丹の花が彫られ、阿は右前脚は岩の上に、左前脚は玉の上に乗せています。一応顔はえらが張り武ばった感じもしますが、お尻が引けて及び腰に見え、何か構えと言うよりは後ずさりしているようにも見えます。
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境内鳥居脇に縦置きで置かれている建立年代不明の狛犬
何があったのでしょうか?この子達は満身創痍、傷だらけです。それを丁寧に修復してくださったこの社の氏子さん達に感謝! 他の地域だったら、とっくに先代さんとして捨てられたり、境内の片隅に終われたりと、哀れな末路を辿っていたでしょうが、ここでは堂々と境内に置かれて居り、狛犬達も本望でしょう。顎髭の造りが浜端・三宮神社の神殿狛犬、相川江戸沢町・塩竈神社の狛犬と類似しています。佐渡では珍しい狛犬なので同じ石工さんの作かも知れません。体表の亀甲模様が面白いですね。
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お寺のお堂のような造りの大きな拝殿
拝殿内の様子」

拝殿内の社額「事比羅」の字が
変わっています。
屋根だけ見える本殿覆い屋
拝殿内の神殿狛犬
これも縦置きで阿吽が反対位置にいます。阿には二本に枝分かれした角が付き、吽は金色の宝珠を付けています。未だ綺麗に彩色が残り、体表には微妙な色合いの斑点が描かれています。眉毛と前髪が一緒になって目の上部を覆い隠し、結構獰猛な顔つきをしているので、何処かでみた「天の邪鬼」の姿を思い出してしまいました。
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境内社・粟島神社、入口と社殿