堺市堺区甲斐町東2(平成18年1月2日)
この神社は高速15号堺線・堺出口を下りたらすぐの信号を右折。2つ目の信号を左折すると斐町東2丁目でこの道路に面して右側に鎮座しています。
通称大寺さんと呼ばれる式内社で、堺の総氏神として崇敬されています。「開口(あぐち)」という社名は神功皇后を守護した塩土老翁神(しおつちおじのかみ)という神様が、それまで口を開いたことがなかったのに、神功皇后が神撰を奉ったところ初めて口を開いた、という言い伝えがあることに由来し、住吉大社と関係が深く、「住吉奥の院、外宮」とよばれています。また「大寺さん」とは、天平18年(746)行基が境内に念仏寺を建立し、大同元年(806)空海が宝塔を建てたことに由来しているそうです。
創建は神功皇后の勅命によるものとされ(西暦200年頃か)、天永4年(113)開口・木戸・原村の三社を併合し、
これより俗に三村宮又は三村明神と称しました。主祭神は塩土老翁神(しおつちのおじのかみ)、配神は素盞嗚神、生国魂神(いくたまのかみ)です。毎年1月15日には境内でとんど(古くなった御札などを燃やして厄払いする行事)が、9月の八朔祭ではふとん太鼓が奉納されます。
ここには6対の狛犬と3対の神狐が居ますが、中でも変わり種は文久3年の西参道の狛犬で、これは吽が招き猫のような手つきをしてその手の上に玉を乗せています。
流石旧府社、多数の境内社があり、中でも私の注意を引いたのは、自分も昔関係していた事なのでついつい目がとまってしまうのですが、大正3年に堺市立幼稚園(現第一幼稚園)が境内に設置され「堺の幼稚園発祥の地」という碑が建っていたことでした。その他、明治期には堺市役所や府立第二尋常中学(現三国丘高校)が境内に設置されていたといいます。今でもかなりの規模はありますが、現社地と比べるとさぞや広大な敷地を保っていた神社だったのでしょう。
社号標 | |
白虎門(西側) | 青龍門(東側) |
阿吽逆に配置されている狛犬。 かなり大きくて3m弱はあると思われます。 阿は見返り子狛、吽は招き猫のような手つきをして その手の上に玉を乗せている変わり種です。 文久3年(1863)生まれにしては瘤も彫りもきちんと残っており、 大きいだけでなく厳めしく威風堂々とした感じがします。 |
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(文久3年(1863)8月建立) |
海会寺金龍井についての伝承
正慶元年(1332年)広智国師乾峯(けんほう)和尚により創建された海会寺は元は大寺(開口神社)西門付近にあり後に南宗寺境内に移転しました。 話は大寺付近にあった草創期(歴応2年4月=1338年)のことであります。
朝廷から国師号を賜ったほどの名僧で誉高く、その徳を慕って教えを乞いに訪れてきた金面龍王という龍に、ありがたい戒(三聚浄戒-仏語なので内容がわからない)を授けた。 龍は何かお礼をしたいと申し出ると、旱魃で困っている人々のために水が欲しいと和尚は願った。 そこで清泉を求める方法を教えた。 すなわち地面に鵜の羽を敷いてそこに白露が浮かぶところを見つけ、其処を掘り井戸を開けば清水が求められると。 早速白露の浮かぶ所を見つけ井戸を掘ると、言うとおり水が沸きだした。これが金龍井であり、以後枯れることが無かったという。
金龍という名は金面龍からきており、泉南第一の名泉と伝えられ、豆腐作りに盛んに使われたという。
(開口神社HPより)
拝殿 | 本殿 |
拝殿前の宝暦8年(1758)生まれの狛犬。 尻尾の感じが普通の浪花と違います。もしかしたら、台座だけの年代かも? |
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(宝暦8年(1758)5月吉祥日建立) |
境内社・薬師社 | 「堺の幼稚園教育発祥の地」の碑 |
境内社・薬師社前の浪花狛犬。 幅広の顔で牙が鋭く見えますが、ブタ鼻が愛嬌を醸し出しています。 台座には昭和33年とありますが、和泉砂岩で彫られている為もっと古く見えます。 |
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(昭和33年8月6日(台座)建立) |
沢山の神様を合祀している境内社の二社殿前にいた上向きの浪花狛犬。 和泉砂岩で彫られている為、剥落や欠損部分がかなり見られます。 |
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(弘化3年(1846)8月6日建立) |
境内社・白龍神社 | 境内社・菅原神社、岩室神社、舳松神社、 松風神社、白髭神社、 塞神社(庚申さん) |
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境内社・ (左)菅原神社、岩室神社(中央)舳松神社、松風神社(右)白髭神社、 塞神社 |
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上記の三社殿脇に居た年代不明の浪花狛犬。 年代不明とは云っても屋号と名前のみの奉納者名なので、江戸時代のものと思われます。 かなりシンプルな造りですが、鼻が大きくにこやかな感じがします。 |
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神願百度石碑とご神木の楠 | 境内社・竈神社(荒神さん) |
境内社・竈神社前の浪花狛犬。 この子達も顔が潰れたような感じの横広で、素朴な感じがします。 体にはうっすらと毛が彫りこまれています。 |
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(安政7年(=万延元年1860)正月建立) | |
境内社・豊竹稲荷神社入り口 | 境内社・豊竹稲荷神社社殿 |
境内社・豊竹稲荷神社脇のお狐様 | |
影向石 | |
扇塚と扇絵馬 | 狛犬の拡大写真はこちらで |