阿理莫(ありまか)神社

貝塚市久保(平成18年1月3日)

 この神社は阪和線・東貝塚駅から北上し、津田川を青林橋で渡ると最初の信号角に鎮座しています。

 由緒によると、貝塚市内で唯一の式内社であり、御祭神は饒速日命、阿理莫公です。饒速日命の子孫である物部氏の末裔が安幕(アマカ)氏で、累世阿間河荘の豪族でした。 第26代継體天皇元年(507)に、安幕氏はこの地に大祖饒速日命を祭る神社を創建し、永く氏神として崇敬したのが起源のようです。
 明治期に一村一社制が定められた時、麻生郷村各地に鎮座した神社はすべてここに合祀した結果、麻生郷全域の氏神となり現在に至りました。この時期、明治42年には熊野王子の麻生河(あそうがわ)王子神社も合祀されていますが、王子祠跡は民有地に払い下げられ、境内地1,364坪をが、宮座、座老12人の共有地になった記録が残っているそうで、現在の三和製作所が王子跡地といわれています。

 道路脇の鳥居を潜るとすぐに広い駐車場で、平成17年に全面改修が完了し、何もかも全てが真新しく綺麗に整った神社でした。おかげで、毎年10月10日の秋祭(地車祭り)には、以前は潜れなかった鳥居を、久保、麻生中、半田、海塚、東、堀、小瀬町の7台の地車が堂々と潜り、宮入出来るようになり、一段と勇壮で華やかな地車祭りが開催されているようです。

神社入り口 境内の様子
入口の嘉永3年(1850)生まれの浪花狛犬
(嘉永3年(1850)3月建立)
駐車場脇の建立年不明の浪花狛犬。
平板顔の、のほほ〜んとした太めな狛犬です。
真新しい綺麗で立派な拝殿 本殿
拝殿前、一番古そうな狛犬。
建立年は分かりませんが、奉納者は屋号と名前のみですから江戸時代の物です。
夫は阿の個別写真を撮り忘れ、全体写真から切り取った物を使用しましたので、
画像が悪いのはご容赦を。落ち着いた良い狛犬です。
拝殿前、二番目の浪花狛犬。やんちゃそうな顔をしています。
(嘉永3年(1850)3月吉日建立)
拝殿前一番奥の御影狛犬。大きくて堂々とした狛犬です。
(安政3年(1856)11月吉日建立)
境内社
境内社の構え獅子。
吽の台座や前脚が壊れ、台座には昭和55年とありますが、
阿の台座の様子や狛犬の状態から、私達は江戸時代か明治期の
物ではないかと推測しています。尻尾が九尾の狐のように複雑に別れています。
(昭和55年4月吉日(台座のみ))