加支多(かきた)神社

泉佐野市鶴原(平成18年1月3日)

この神社は南海本線・鶴原駅の東約350mに鎮座しています。
 和泉国六十二座の中の一座として記載されている式内社で、徃時には市杵島神社とか八幡社と称され、格式ある垣田神社がその古名であるといいます。
 由緒書によると、御祭神は誉田別命(応神天皇・八幡大神)、市杵島姫命、天児屋根命で、誉田別命は、応神天皇の御神名で「八幡さま」と通称されています。神功皇后が新羅を御遠征中、二年間皇后の胎内におられて誕生しました。「安産の神」「子授けの神」「知恵の神」として古来「文武の神」「号矢八幡さま」、と称えられています。

 市杵島姫命は、天照大御神、建速須佐男之命の二柱の神さまが、高天原で誓約<うけい>をなされた時に生まれた女神です。又の名を狭依比売命(さよりひめのみこと)といい、高天原の最高神・天照大御神にお仕えした女神です。「婦人の芸事」「婦人の作法」の神、「音楽の守護神」でもあります。又「船の寄る所を敷きませる神」、又海上を支配され諸国に幸をもたらし交易を守護し、人々に福徳をもたらす「海上交易の神」「福徳の神」として「いつくしまひめ」とも「弁財天」とも称えられています。
 天児屋根命は、高天原の神々の祭祀を司る天神です。神代の昔、天照大御神が天の岩戸に籠もってしまった時、祭祀を行い、天津祝詞の太祝詞(ふとのりごと)を称え、やたの鏡を差し出した神話はよく知られています。又、天孫の天津日子穂能爾々芸命が降臨した際に先達をした神様で、古来「祈祷の神」「祓清の神」「諸願を最高神にお伝えする神」とされています。

 ここでも、毎年10月 9日、10日に 通称・ダンジリ祭りと呼ばれる例大祭が、勇壮に華やかに執り行われています。

神社入り口
入口の嘉永6年(1849)生まれ、おデブな浪花狛犬。
(嘉永6年(1849)5月吉日建立)
拝殿 趣のある檜皮葺き流れ造りの本殿
境内社・戎社入口
境内社・戎社の瓦材狛犬。
阿は頭がツルツルで、翁が大口を開けて笑っているように見えます。
吽は優しく微笑む媼のようで、好一対・似たもの夫婦の典型でしょうか?
見ている私達までも幸せにしてくれる狛犬達です。
境内社・戎社の檜皮葺き社殿 境内社・大黒社
境内社・塞の神、金神