泉穴師神社

泉大津市豊中町1(平成18年1月3日)

この神社は阪和線・和泉府中駅から北西へ約1kmに鎮座しています。

 由緒書きによると、式内社で和泉五社の一、泉州二の宮です。主祭神は、農業の神である天忍穂耳尊、紡織の神である栲幡千々姫命の御夫婦二柱の神であり、天忍穂耳尊は天照大神の御子神で皇室の祖神の系列で、栲幡千々姫命はその名の示すように、栲は古い衣服の原料となる麻・絹・綿等一切の繊維類の総称であり、幡は布帛(ふはく・綿、麻布と絹布)の総称です。はたものは、織機の意味もあり衣服の紡織に種々工夫改良を加えられた姫神様で、泉州の地が今日も農耕並に紡織が盛んなのも頷けます。衣食の安定は政治的にも重要であり、往古より歴代の天皇の崇敬が、数々の文献に残されているそうです。又、古来より、幼児虫封じに霊験あらたかと云われています。明治時代に天富貴神(春日社)、古佐麻槌大神が合祀され、摂社に住吉大神、菅原大神、戎大神などが祀られています。

 鳥居の足元には、今では使われていない頑丈そうな太鼓橋が架かり、昔は堀がある広大な社地を持つ有力神社であったことを想像させます。境内は「穴師の森」と呼ばれる豊かな鎮守の杜に囲まれ、立派な拝殿と、国の重要文化財に指定されている檜皮葺きの本殿、摂社春日社・住吉社等は見事な造りでしたし、数々の境内社が建ち並ぶ様は壮観です。

遥か遠くの一の鳥居 神社入り口の鳥居と神橋
鳥居脇の嘉永2年(1849)生まれの若々しい浪花狛犬。
御影のせいか古さを感じさせません。吽には小さな角があります。


(嘉永2年(1849)2月建立)
境内の穴師の森の見事な楠の大木
裏参道入口
裏参道の明治28年生まれの浪花狛犬。
鬣が顔とくっきりと別れているせいか、顔が平面的に作られているせいか、
人間顔の人面狛犬に見えます。
(明治28年建立)
大きな拝殿。拝殿前にへばりつくように鳥居が二基建っています。
御祭神が天忍穗耳尊、栲幡千々姫命の二柱だからでしょうか?
拝殿前の享和元年(1801)生まれの浪花狛犬。
阿の歯並びが綺麗です。この辺りの浪花の特徴が良く出ています。
尻尾の火炎のような造りが面白く思いました。
(享和元年(1801)9月吉日建立)
社殿右側の透かし塀の中には、国の重要文化財に指定されている
檜皮葺きの摂社・春日社が、優雅な姿を見せていました。
摂社・春日社前の文久4年(=元治元年・1864)生まれの浪花狛犬。
未だ綺麗で剥落も殆どなくとてもこの時代の作とは思えません。
(文久4年(=元治元年・1864)4月建立)
国の重要文化財に指定されている三間社流造、檜皮葺きの本殿
社殿左側の透かし塀の前の文化4年(1807)生まれの浪花狛犬。
阿吽の剥落の差が激しく、阿は顔付きが殆どわかりません。
吽は思慮深そうないい顔をしています。


(文化4年(1807)8月吉祥日)
社殿左側の透かし塀の中の
摂社・穴師天満宮
社殿左側の透かし塀の中の、
国の重要文化財、
檜皮葺きの摂社・住吉社
社殿左側の透かし塀の中の
摂社・熊野社、戎社
境内左側の摂社・(愛宕社)、多賀社
境内左側の摂社・(大国主社)、
楠木社、愛宕社
境内左側の摂社・大国主社
境内左側の摂社・大歳社、
兵主社、八幡社
泉穴師神社の公式サイトはこちら。