道明寺天満宮

藤井寺市道明寺1-16-40(平成20年1月3日)

東経135度37分12.31秒、北緯34度33分52.89秒に鎮座。

 この神社は道明寺駅の西約300mに鎮座しています。お正月で受験シーズンにも近いからでしょうか?近郊近在の人たちが皆ここに参拝に来ているのではないかと思われるほどの賑わいを見せていました。以前、娘の好きな「道明寺」の発祥の地かと思って訪ねた時はほとんど人を見かけなかったので、今回のあまりの人手にただ呆然としてしまいました。
 旧参道脇には蓮池の跡や「古代道明寺五重塔礎石」碑が建ち、神門付近は押し合い圧し合いの大混雑です。参道にも露天屋台が立ち並び、良い匂いを漂わせていました。お昼に近く、私たちもこの社でお好み焼きやたこ焼き、オムソバなどを食べ、昼食にしました。大阪の露天屋台は安くてボリュームがあって美味しくて大満足。
 境内奥には江戸時代初期に建造された檜皮葺の大きな拝殿と幣殿・本殿が建ち、参拝者が熱心に祈願していました。その社殿右側には和合稲荷社入口の赤い鳥居が建ち、800本の梅の木が植えられた梅園を通っての参拝となりますが、残念ながら梅は未だ蕾でした。そこからぐるっと左に回り込むと梅園周囲には同じく境内社の霊符社、白光社、八嶋社 が祀られており、拝殿左手あたりには道真公の従者だった白太夫を祀る白太夫社、本宮 土師社、復元された修羅等が見られます。

 御祭神:菅原道真公(学問の神様)、天穂日命(天照大神の御子)、覚寿尼公(道真公のおば様)
 例祭日:1月1日・歳旦祭、1月15日・左義長、1月25日・初天神うそかえ祭、2月3日・節分厄除大祭(星祭)、2月10日〜3月9日・梅まつり、2月25日・例祭(梅花祭)、3月25日・河内の春ごと(菜種御供大祭)、4月25日・筆まつり、5月11日・ 釈奠、6月25日・菅公生誕祭、6月30日・夏越大祓、7月24日〜25日・天神まつり、9月1日・八朔大祭、11月1日〜30日・七五三まいり、12月25日・納天神、大根炊き、12月31日・大祓
 境内社:土師社、和合稲荷社、霊符社、白光社、白太夫社
 由緒:この地は、菅原氏の祖先に当たる野見宿禰の所領地であり、野見宿禰の遠祖である天穂日命を祀る土師神社が鎮座していました。仏教伝来後は、聖徳太子の発願により土師寺も建立されました。
 平安時代、土師寺には菅原道真のおばに当たる覚寿尼が住んでおり、道真も時々この寺を訪れ、この寺のことを「故郷」と詠んだ歌もあります。道真公は延喜元年(901)、大宰府に左遷される途中にも立ち寄って、覚寿尼との別れを惜しんでいます。その遺品は神宝として伝わり、6点が国宝の指定を受けています。天暦元年(947)、道真公が寺に残した木像を祀り、土師寺を道明寺と改称しました。
 その後、道真公ゆかりの地ということで、道明寺は学問の神としての信仰を集めるようになリましたが、明治の神仏分離の際、道明寺天満宮と道明寺は分離され、道明寺は道を隔てた隣の敷地に移転しました。境内には80種800本の梅の木があり、梅の名所としても知られています。
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神社遠景 「古代道明寺五重塔礎石」碑
古代土師神社参道脇の蓮池跡
社号標 神門
神門手前左に建つ「土師窯跡」碑 賑わいを見せる参道の様子
参道途中の大きな明神鳥居
天保13年(1842)生まれの浪速狛犬
阿は口中に玉を含み、吽は角を付けています。チョコッと覗いた牙が可愛く、肉厚の垂れ耳の下に鬣の大きなカールが沢山渦巻いています。もう剥落も始まっていますね。
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(天保13年(1842)6月建立)
元文3年(1738)生まれのブロンズ狛犬
伝統的な神殿狛犬をそのまま参道のブロンズに模倣した感じの狛犬です。吽には大きな角が付いています。
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(元文3年(1738)正月吉日建立)
江戸時代初期に建造された檜皮葺の大きな拝殿
拝殿内の様子

拝殿の木鼻・狛犬
拝殿内の神殿狛犬
阿吽の位置が反対で、吽には長い角が付いています。元々は金箔が貼られていたようですが、今では生地の黒漆がかなり見えています。鬣や尾は水色の毛先が群青色に彩色されています。品が良く、美形で姿の良い狛犬です。
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江戸時代初期に建造された檜皮葺の本殿
社号標「本宮 土師社」 土師社の割拝殿
土師社を護る天保12年(1841)生まれの浪速狛犬
吽には太い角が付いています。一寸潰れぎみの惚けた顔で、前足付け根の節のような造りが面白いですね。剥落はありませんが、ヒビが入り始めています。
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(天保12年(1841)11月建立)
土師社割拝殿に架かる神名の額
左から「野見宿祢命・矢夷鳥命・大国主命」
土師社本殿 土師社脇に鎮座する境内社
土師社本殿屋根上にいる瓦材狛犬
拝殿右脇にある和合稲荷社入口 和合稲荷社参道に建つ二の鳥居
和合稲荷社参道脇の梅林 和合稲荷社参道に建つ三と四の鳥居
和合稲荷社境内入口 和合稲荷社社殿
境内社:八嶋社
八嶋社を護る明治16年生まれの小顔浪速狛犬
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(明治16年(1883)3月建立)
八嶋社社殿 境内社:白光社
境内社:霊符社
境内社:白太夫社入口
白太夫社を護る昭和4年生まれの備前焼狛犬
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(昭和4年(1929)4月建立)
白太夫社社殿
修羅保存庫
この修羅は、1978年に三ツ塚古墳(道明寺6丁目)の出土品を宮大工らの手で復元したものです。同年9月3日に朝日新聞社や考古学などの専門家によって、市内の大和川河川敷で巨石を乗せて牽引する実証実験に使われたそうです。
神社入口右土手下にある夏水井(げすいのい)