賀来(かく)神社

大分市賀来(平成20年7月25日)

東経131度33分53.18秒、北緯33度12分13.34秒に鎮座。

 この神社は賀来小学校のすぐ北に鎮座しています。大分川左岸の土手から参道は続いており、市指定名木・大ケヤキを含む大きな鎮守の杜の中に境内はあります。土手を下りると右手に鳥居があり、その奥石段の上に神門が見えます。落ち着いた佇まいの神門正面には大ケヤキの傍らに拝殿が建ち、その奥に流造りの大きな本殿が建っています。拝殿脇の灯籠は火袋に二匹のネズミが遊び、返花に居る猫がそれをじっと窺っている…、そんな構図の非常に珍しい造りです。境内右手には境内社が祀られ、此処にも狛犬が居て、この社には計4対の狛犬も居ます。

 御祭神:武内宿禰命、建磐龍命
 例祭日:9月1日〜7日、大名行列がある卯年と酉年には9月1日から11日間
 由緒:旧縣社で、社伝によると、仁明天皇の承和3年(836)の創建といわれています。古来、賀来善神王宮ともいわれてきました。御祭神は武内宿禰命(景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代の天皇に仕え、軍神・長命の神として崇められています。)、建磐龍命(肥後国・阿蘇神社祭神)の二柱で、建磐龍命は常時この社に鎮座されていらっしゃいますが、竹内宿禰命は平時柞原八幡宮にあって、主君格の八幡さま(應神天皇)に奉仕し、秋季大神の11日間(9月1日〜11日)だけこの社に帰られます。(現在は行列年を除いて9月1日〜7日)
 卯酉の神事とは、平安時代から連綿と受け継がれ、卯の年、酉の年 6年毎に催される神事です。柞原八幡宮に調度品を奉納した大神宝調達という神事に由来し、のち賀来神社の祭神竹内宿禰命が柞原八幡宮から自社へ還幸する行列へと変化したものといわれています。6年に一度行われる大名行列は、今では県下唯一の盛大な祭りとなっています。

神社遠景 社号標
「縣社 賀来神社」
境内入口手前の参道にいる昭和10年生まれの狛犬
耳を後ろにたなびかせ、太く短めの鬣を持つ狛犬で、胴が短く下半身が大きいので、どっしりと安定感があります。
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(昭和10年(1935)8月吉日建立)
神社入口の一の台輪鳥居
神門前、昭和3年生まれの出雲丹後型狛犬
とは云ってもこの子達は本場生まれではないようで、顔も優しく体型もずんぐりしています。
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(昭和3年(1928)10月建立)
神門
境内の様子と市指定名木・大ケヤキ
拝殿前、昭和10年生まれの狛犬
整った体つきで、足には草鞋の鼻緒のような毛が見えます。阿は口中に玉を含んでいます。鬣や尾の毛の流れがスムーズで、丁寧に彫り込んであります。
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(昭和10年(1935)12月建立)
拝殿
本殿
拝殿脇の灯籠
火袋には二匹のネズミが遊び、返花に居る猫がそれをじっと窺っている…。
石工さんの遊び心が感じられる、変わった灯籠です。
境内社
境内社社殿脇にいる昭和15年生まれの狛犬
写真写りが悪いのですが、ライオンのような顔つき体つきの狛犬です。
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(皇紀2600年(昭和15年・1940)11月10日建立)
市指定名木・大ケヤキ