櫛来社(岩倉社)
国東市国見町櫛来3707(平成20年7月22日)
東経131度37分9.22秒、北緯33度40分14.22秒に鎮座。
この神社は周防灘を望む国東半島両崎の西の付け根に鎮座しています。豊かな鎮守の杜と、大きな回廊に囲まれた境内を持つ、落ち着いた素晴らしい神社です。
表参道入口の明神鳥居を潜り、表参道を行くと右側には神池があり、池に突き出た石垣には二基の灯籠が建っています。神門は境内をぐるっと取り巻く回廊とつながり、正面に妻入りの拝殿が建ち、その奥に流造りの大きな本殿が建立されています。本殿左右には境内社・末社が建ち並び、狛犬達がお護りしています。裏参道へと続く神門を出ると左手には境内社が祀られ、白壁添いに右に行くと裏参道入口となります。
御祭神:帯中津日子命、息長帯日売命、品陀和気命、奥津嶋姫命、市寸島比売命、多岐津比売命
例祭日:初祭・正月の初丑の日、祈年祭・3月20日、御禊祭・4月28・29日、9月祭・10月14・15日、新嘗祭・12月1日
境内社:若宮八幡、高良様、明神様
由緒:この社は宇佐神宮の御分霊を奉祭し、現在地には約1100年前に鎮座しました。
初め海中より岩瀬に御着され光明を放っていたので、里人は大いに敬い尊び、岩背に移し現在の元宮の下に祀りましたが、後に社殿を造営し現在地に遷座しました。
旧村社で、以前は、磐坐社・岩倉八幡・岩倉社等と呼ばれていましたが、明治4年、現社名に改称されました。
10月14日の夜に執り行われる「ケベス祭」は、国の記録選択無形民俗文化財にも指定され特に有名です。「ケベス祭」とは、神が磐に降り立つことに原点を持つとか、火を扱う鍛冶の神でもある宇佐八幡が近くの海岸に寄りついたとか、神功皇后が朝鮮出兵に当たり火を焚いて潔斎したとか、幾つかの伝説が残されている伝統行事です。
祭りは氏子である十の集落の住民が毎年交代であたり、ケベス役は当番集落の成年男子から選ばれ、神官やトウバ(当場)など二十数人とともに海での潔斎から始まります。社殿では神官がケベス面に祝詞を上げ神霊を面に迎え、「ケベスどん」が面を着けると、神官が「勝」の呪文をその背に書き、気合を入れるとケベスどんが神そのものとなるのだそうです。境内には山積みされた柴に火が入り、太鼓や笛、鉦の楽が奏でられ、ケベスや神官などの行列が境内を回り始めます。そのうち火を獲得しようとするケベスと、遮るトウバの若者たちの攻防が続き、いやが上にも祭り気分は盛り上がってきます。そしてついにケベスが火を獲得し、燃え盛る火を掻きまぜながらまき散らすと、今度はトウバも一緒になり、火のついた柴を持って境内を駆け巡り、参拝者の尻を叩きながら容赦なく火の粉を浴びせるのだそうです。でも火の粉がかかると無病息災とか…。日本全国には奇祭とされる祭りは各地にありますが、ケベス祭は奇祭中の奇祭と言える祭礼なのだそうです。
神社遠景 |
表参道入口 |
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表参道 |
表参道右側にある神池 |
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表参道の神門と回廊 |
境内から表参道神門と回廊を振り返る |
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社殿全景 |
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拝殿 |
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拝殿内の様子
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拝殿に架かるケベス様? |
本殿 |
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本殿左側の末社 |
本殿左側の境内社:若宮八幡 |
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若宮八幡の先代狛犬
風化が激しく、右側の狛犬は骨格標本のようになってしまいました。 |
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本殿右側の境内社:高良様 |
本殿右側の境内社:明神様 |
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裏参道へと続く神門 |
裏参道添いの境内社拝殿 |
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裏参道添いの末社群 |
裏参道添いの境内社 |
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境内左側のご神木・大楠 |
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裏参道 |
裏参道入口の台輪鳥居 |
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