村落石獅子

豊見城市渡嘉敷6付近 (令和2年3月2日)

東経127度41分00.85秒、北緯26度09分50.72秒に鎮座。

この石獅子は、豊見城市役所の南900m程の辺り、渡嘉敷の片隅に置かれております。

由緒
集落に置かれるシーサーは、ムラの守り神として、素とから入ってくる様々な邪気をはね返すために据えられ、その厄災をもたらすとされる対象【丘陵や森、ガマ(洞窟)など】に向け立てられていることが多い。字渡嘉敷に位置しているこのシーサーは、集落の南側にそびえ立つ保栄茂グスク(西御嶽付近の大岩)に向けて立てられたのだという。
保栄茂グスク付近にある大岩が、大きく口を開けて「渡嘉敷クワークワー(渡嘉敷集落を食おう)」としているように見えるので、その返しの魔除けとして建てられたと伝えられている。また村に火事が多かったのでその火返しの魔除けとして建てられたという伝承もある。
渡嘉敷のシーサーは、戦前から近年まで集落の中心を通る市道123抗戦沿いにあった。通常、石獅子は集落を外の厄災から守るために設置されるので集落の中心部にあることは珍しい。しかし、渡嘉敷に住み始めた草分けの家々(門中のムートゥヤー)の配置を考えると、石獅子があった場所は、南西方向の村はずれであったことが分かる。それが時代を経て家々が増えてきたことによって集落の中心に位置するようになったと考察される。現在は集落の南東側、公民館横のウマイー(馬場)に移動し、移設後も変らず保栄茂グスクに向って立ち、集落に災いが入ってこないよう鎮座している。現在でも正月や旧暦5月に門中単位でシーサー拝みが行われ、字渡嘉敷の方々に大切にされている。
境内由緒書き より。

全景。後は渡嘉敷集落センター。

道路脇の石獅子。拡大写真はこちら。