村落石獅子

島尻郡南風原町照屋53(平成20年1月27日)

東経127度43分41.65秒、北緯26度11分1.01秒に鎮座。

 この村落石獅子は南星中の東約250m、かすりロードの中の小さな川の傍に置かれています。
 案内板には「照屋の石獅子は、南風原町指定有形民族文化財のひとつで、本部の集落に向かって立っている。本部では石獅子を東風平の八重瀬に対するフーチゲーシ(邪鬼返し)の目的で造ったが、結果的に照屋に向くかたちになり、それに対抗して造ったと言われている。また両集落間にはかつて湧井戸問題でしばしば抗争があったとの言い伝えがあり、歴史を偲ばせる貴重な石獅子である。」と書かれています。
 照屋にはこの石獅子の他にもう1体の石造りのシーサーがあるのですが、どちらも本部集落に向けられているといいます。本部では東風平の八重瀬へ向けて厄返しのためシーサーを置いたのですが、伝承では、故意に照屋に向けられていると思った人々が対抗するため本部へ向けたとされています。
 普通南部の村落獅子は、火山(フィーザン)と思われていた八重瀬獄、あるいは不吉な場所の方向を向いてマジムン(魔物)を追い払おうとする目的で置かれていますが、この石獅子は結果として敵に向けて置かれているという、ちょっと風変わりな目的を持つようになったようですね〜。
 口を開けているので雌の獅子なのでしょうか? まん丸の目が窪んで、大きく横に切れ込んだ口を明け、寸胴短足な、目的を知らなければ穏やかな獅子に見えるんですけどね〜。

村落石獅子遠景