村落石獅子

島尻郡南風原町本部(平成20年1月27日)

東経127度43分44.58秒、北緯26度11分11.54秒に鎮座。

 この石獅子は南風原町役場の南西約70m、県営南風原第一団地9号棟脇の十字路を、団地と反対側に坂を下っていくとすぐ左の、家と家の間の小さな空き地に照屋に向かって置かれています。
 案内板には「この石獅子は、南風原町指定有形民族文化財のひとつで、本部の南南西の方向にある八重瀬に対するフーチゲーシ(邪鬼返し)の目的で作られたと伝えられている。八重瀬がヒーザン(火山)として恐れられていたことは、南部一帯に広く伝承されている。」と書かれています。けれどそれが方向として隣の照屋に向けられた形になり、湧井戸問題でしばしば本部地域と抗争があったと言い伝えられている照屋では、二体の石獅子が対抗策として作られたと言うことです。そこで結果としてこの二地域の石獅子たちは、お互いににらめっこをしている形になっているようです。
 という目的の割にはこの石獅子は、トーテンポールやモアイ像を連想させるユニークで素朴な造りの獅子で、頭が大きく四角い顔にまん丸な目玉、人間のような鼻に横一文字の口、後頭部にはモヒカンカットのような鬣がつき、猫のしっぽのような短く小さな尾を背中に張り付かせています。今では見ていると笑みがこぼれる造形なのですが…。

石獅子遠景
アップ!!一段とド迫力。
後ろ姿