村落石獅子

島尻郡八重瀬町東風平(平成20年1月27日)

東経127度43分18.04秒、北緯26度9分5.99秒に鎮座。

 この石獅子は507号線東風平(北)信号とJAガソリンスタンドの中間にある道路を西にはいると、約100m先の小高い場所に集落を見下ろすように置かれています。背後には何もなく荒涼としたうら寂しい場所で、この石獅子を見たとき何故か私は寂しい気持ちにおそわれました。
 旧東風平町は、琉球王朝の時代より島尻(沖縄本島南部のこと)の要衛として栄え、富盛の勢理グスクにある石彫大獅子を代表として、確認されただけでも15体の石獅子があるとされ、それぞれが古くから村の一角に守り神として置かれていたようです。今でもカママーイ(旧暦10月1日)の行事では火難が起こらないように祈願がおこなわれているようです。
 この石獅子は頭頂部の鬣を切り立ったように立て、首の辺りにまで垂らしています。ついでに尾も広く薄く立てているようです。丸い目は落ち窪み、平歯の見える口を遠慮気味に開け、上向きの顔は天を仰いでいるように見えます。この顔つきから寂しさを感じさせるのでしょうか…?

村落石獅子遠景

孤高の村落石獅子