村落石獅子

南城市大里大里827(平成20年1月27日)

 

東経127度45分27.49秒、北緯26度10分57.15秒に鎮座。

 この石獅子は「南風原」バス停にあり、案内板も設置されているので、村落石獅子としてはとても見つけやすい所に置かれています。以前は周囲の樹木が邪魔であまり良くは見えなかったようですが、沖縄県内でも石獅子に興味を持つ方が多くなったお陰か、獅子の前の樹木が綺麗に切りそろえられて、とても見やすい状態になっていました。
 教育委員会の表示板では、「この石彫獅子は、かなり古い時代に設置されたと伝えられているが、正確な年代は不明である。
 獅子像の材質は琉球石灰岩で、高さ90cm、体長45cm、胴廻り約130cm、西向きである。
 向きについては、字の古老によると、部落のフンシ(風水)をみて、西側サン(山)を押し退ける「ナンゲーシ」(魔除)として据えられたといい、旧暦8月15日には部落をあげて祈願している。
 沖縄には古い時代から魔除けとして獅子を置く習慣があり、これは中国文化の影響を受けたもので、民俗学的にも貴重な資料である。」とあります。
 この石獅子は、珍しく台座まで琉球石灰岩で一体に造られています。窪んだまん丸目にチョコンと小さな鼻、緩く開いた一文字の大きな口。縦長の体に豊かな鬣が付けられ、お腹の下は刳り抜かれています。短い尾は下に下がっているようです。とても愛嬌のある顔をした可愛い石獅子ですが、魔物から村を護る重大なお役目を、今も忠実に果たしている頼もしい存在でもあります。