園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)石門

那覇市首里真和志町1(平成20年1月26日)

東経127度43分8.78秒、北緯26度12分51.11秒に鎮座。

 園比屋武御嶽は16世紀の琉球王国・尚真王時代の御嶽で、その石門は、守礼門と首里城歓会門の中間にあります。石門とその背後にある森を総称して園比屋武御嶽といい、この御嶽は国王が各地を巡航する旅に出る際必ず拝礼した場所であり、また聞得大君が就任するときにまず最初に拝礼した、いわば国家の聖地でした。王家尚氏ゆかりの島である伊平屋島の神「田の上のソノヒヤブ」を祭っています。

 沖縄で御嶽とは神が降臨し鎮座する聖域のことを指し、沖縄各所というか、昔は各地域・各村落ごとに御嶽はあったのだと思われます。沖縄独特の信仰であり、祝女(のろ)と呼ばれる女性神官によって祭られていました。
 沖縄以外においての御嶽の持つ性格に近いのは神社の本殿であり、この石門はいわゆる拝殿を意味していると考えれば分かりやすいのではないでしょうか。そしてここ園比屋武御嶽石門は、国王が城外に出掛ける際、最初に訪れ道中の安泰を祈願した拝所です。もともとはいまより広範な森でしたが、現在では小学校の敷地となっている部分もあり、残されているのはその一部です。

 園比屋武御嶽石門は、1519年に第二尚氏王統第3代王の尚真のときに造られた石門です。オヤケアカハチの乱で、王府軍が八重山へ出兵したさいに、将の一人であった大里親方に見込まれ首里に連れてこられた西塘により創建されたとされています。
 沖縄戦において王城とともに戦禍を被りましたが、1957年に復元されました。さらにその後旧石門の残欠を再利用しての修復作業が行われました。
 園比屋武御嶽石門は2000年11月首里城跡などとともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されています。
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首里城・守礼門
園比屋武御嶽石門
園比屋武御嶽石門屋根上には珍しい懸魚の装飾が乗っています。
園比屋武御嶽の森
「重要文化財園比屋武御嶽石門修理記」はこちらで
御嶽のすぐ南東に位置する、首里城正門である歓会門